俺は確かにチビで眼鏡だった。だからなんだってんだ!?振りかぶった拳はしかし空気しか切れずにしぼんでいく。いつからか口癖になった二文字を二回、繰り返せばひとこと、さらにオマケで鼻で笑われた。チビで眼鏡でマンモーニだと!?あんなガキと一緒にするんじゃねぇって、怒りで引き攣る喉が喚くが、きっとそれがまたガキ臭いんだろうなと冷静で、ひどく自虐的な脳の片隅が呟いた。奴はすぅらり長い脚の途中にやたらと綺麗な手をそえて、脚とは理不尽に反比例した胴を折って言う。「このマンモーニが」だからお前の弟分と俺を重ねるんじゃねぇ!喚いても喚いてもきっと真意なんて理解されないが、俺はきっと奴が俺を繰り返しからかうたびにこう返すのだろうな、と思う。マンモーニって、そう言うならその弟分みたいに俺を扱ってみろよ、これでもかって叱ってこれでもかって褒めて、お前なら出来るって手を握って背を押してくれよ。よくやったって、強く抱きしめてくれよ、俺をさ。しかし結局なにも理解できないお前に、俺はまた呟くのだ。「クソッ」


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