こうして瞼を閉じると、いつでもあの美しい目と目が合うのだ。胸の奥の心臓が早い動きをして、実感する。私はこの世に生きているのだと。
再び瞼をあけると、そこには緑が風に揺られ、空の青が眩しい、いつもの風景に戻る。(あの美しい目はどこにもいない)ただ、その風景の先にそなたがいるのだと思うと、世界はいっそう輝きを増す。まるで呪いでもかかったように、呼吸をし始め、歌いだす。


「生きろ。そなたは美しい」


吹いてきた風に乗せて言葉を放つ。遠くのそなたの耳に届くことを信じて。
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