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届かない


この気持ちは何だろう
君とはたまに話す仲
憎まれ口を言える仲
ただのクラスメイト
ただの同級生


それだけの分類

例えば学校外で出会ったら気付かないフリするレベル

自分からは話し掛けない
そんな勇気は持ち合わせていない


いつも君から話し掛けてくれる


「何やってんの?」


『うんー?塾の宿題』


「は、お前馬鹿なのに塾行ってんの?」


『はんっ、切原にだけには言われてくないよ』



どんなちっぽけな話でも

そしてどんなちっぽけな話でも私の心は踊る

顔に熱が集まる


でもこれは恋じゃない
ただたんに男子と話すのが苦手なだけ



でも、友達が
「あいつって澪のこと好きだよね」
まさかと思いながら少し気になるのが中学生


『え、そんな訳ないっしょ』


「いやいや、あいついつも澪と楽しそうに話してるよ?」


『私…以外にもいるよ。そういう女子は』



私もそう
何回も回りに言われた


口ではこんな風に否定はしてたけど
目で追ってしまうようになってしまった


これは恋じゃない
恋はしたくない


気付きたくない
気付いては駄目


止まらない
止まれない
止まりたくない


でもやっぱストッパーは掛けてしまう


君は顔は良いから
女の子にモテる


だけど性格は良くない
うちも男子とやりすぎなふざけ合いしてる君は好きじゃない


だから友達はあいつは澪の事が好きだとしても
止めとけって言う


自分もそう思う


もうすぐ卒業
君とはお別れ


違う高校で続く訳がない


だからこの気持ちは知らない
知りたくない


このままで良いんだ
このままで…


『切原ー!卒業おめでとう』


「鶴岡もおめでとう…お前は立海高校に上らず別の高校行くんだろ?」


『うん、だからもう会う機会無いね』


「おう…あのさ、俺…」


『何?』


「い、いや何でもねぇ…元気でな」


『うん、ばいばい』









君のことは
好き、だったよ



-End-


卒業のお話。
今、四月だけどもね(笑)











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