朝起きて、眩しい陽射しに顔を顰めて、近くにある携帯に手を伸ばす。頭が痛い。
3時まで起きててそれで寝るとか我ながらアホだ。数時間前の自分を殴りたい。
まだ部屋が寒過ぎて体を出す元気は無いから布団の中で携帯を開く。
時間は6時ちょい。メール着信のアイコンが出ているのでそれを押して確認。
「・・・寿男から・・・?・・・・はぁ・・・!?」

From 伊賀先寿男
Title 今日
本文
昨日、彼女が出来た。
今日は彼女と学校行く。

・・・たった今MP無くなりました。
HPも尽きた。学校行きたくない。なんだよ、なんなんだよこれはさ、なんなんだよ。
「はは、腹立つ・・・」
あーもう、リア充爆発しろ



俺は取り返しの付かない事をした。
あいつにキスして逃げたのだ。
一昨日の放課後の誰もいない廊下で。勝手に、自分の唇を相手の唇に押し付けた。がちんて音がして我に帰って。あいつに左頬を殴られて、気が付いたら逃げていた。
昨日は学校を休んだ。そしたらこれだ。
『ごめん・・・好きだ。好き、なんだ・・・!』
逃げてきた階段踊り場。
嫌に熱い唇に不謹慎にもドキドキして、そんな自分に嫌悪した。
ボロボロに泣いて、殴る事は無いのにと思った俺は身勝手だとは思う。
メールをくれただけでも、俺は安堵すべきなのだが、いくら中身がアレじゃあ腹は立つだろう。
「あー・・・、寒い寒い・・・」
身も心も酷く寒い。
左頬がきしりと痛んだ。








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