――自分達が、何をしたというんだ




瓦礫が散乱とした廃墟。そこには先ほどから降る雨の匂いと、微かに残る血の匂い。

そしていくつかの死体が、存在していた。


そんな中にも、生存者はいた。


白髪の髪を持った少年は、降り続ける雨にしとどに濡れているが、そこから動く気配はない。
自分と反対の髪色を持った、傷だらけの動かない少年を抱え、座り込んだままである。
抱えられた少年の背中からは、赤い血が止まることなく流れ続け、白髪の少年の腕を伝い雨と共に流れていく。


ぴしゃり、と水を弾く音が少年の前で響いた。

「・・・・誰だ。」

少年は、腕の中にいる少年を守るようにしてさらに抱え込むと、目の前に現れた人物を睨む。


現れた人物はその様子を見ると、微笑んで手を差し伸べた。



「この世界を、変えたいと思いませんか?」




雨の勢いが、少しだけ和らいだ




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