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 疑惑

遂ににきてしまった

今日ほど来てほしくないと思った日は今までないと思う

そう、今日は日直なのだ
日直だけだったら面倒くさい、だけで終わったかもしれない
ただ一緒に日直をする相手があの折原臨也なのだ
折原臨也はこの学校ではかなりの有名人だ
そんな有名人なだけあって、彼に関する噂もかなりある


例えば

超能力者だとか
(これは本当な気がする)
目があったら石になるとか
(・・・・・嘘だと信じたい)
気に入らないやつは即殺
(まさに平和島君がいい例だよね・・・・平和島君も平和島君でまた超人だから死んでないけど)
実は宇宙人だとか
(これはさすがにない!!!!・・・・・・・よね!?)


実際喋ったこともないから何とも言えないけどとにかく大変な人物だ
・・・・・・・石になったらどうしよう

「いい加減元気だしなって〜!だいたい折原臨也って格好いいしかなり役得だと思うんだけどな〜」

『格好いいとか以前に恐いじゃん!!見た目も恐いししょっちゅう喧嘩してるみたいだし・・・』

「クラスの大半は羨ましがってたけどね」

『なら変わって欲しいくらいだよ』

でもそんなこと言ったらこのクラスは石だらけになってしまう
きっといかに折原君と目を合わさずなおかつ気に障らないように日直の仕事をするかが大事なはず
そのためにはなんとしても折原君にはいつものようにサボってほしいんだけど・・・・・

そう思いドアのほうに目をやると

『・・・・・え』

来た

まさか

本物の折原臨也がクラスメイトの門田君と何か話しながら教室に入ってきた

なんで来ちゃうんだよ!!!!!!
不良は不良らしく元気にサボっとけよ!!!!
わざわざ頑張って教室来なくていいから!!!!


「ほら名前!!!やっぱかなり格好いいじゃん!!!」

『無理!!!私もう無理!!!!きっと石になるんだあああ!!!』

「はあ?石・・?
まあ良くわかんないけどさ、とりあえず日直は放課後が勝負なんだし放課後までにはどっか行くんじゃない?」

『!!そうじゃん!!!だよねっ7時間キッチリ勉強してるわけないよね!!!』






してました
7時間キッチリ勉強してました
ちゃんとノートもとってました
意外と真面目でした


・・・・・っじゃなくて
私は授業中にとんでもないものをみてしまった

折原君のノートをちら見したときだった

なんと

折原君は日本語とは思えない妙な文字を書いていたのだ
それも英語と数字の融合した意味の全くわからない文字
あれはきっと宇宙人の間で使われる文字に違いない
恐らく授業中に仲間と通信したんだろう

あああああ!!!!
どうしよう!?

きっと気に入らないやつがいたら仲間を呼んで集団リンチなんだ
つまり今日はもう既に殺す気満々なわけだ
ということは
もし今日私が折原君に何かしてしまったら間違いなく


 殺 さ れ る 


やばいやばいやばいやばい


「ねぇ」

約18年・・・・・
短い人生だったな

やり残したこともたくさんある・・・・

「ちょっと、シカトする気?」

『・・・・え!?おっ・・折原君!?あ!!!えっと・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!』

「いや・・・そこまで必死に謝られても困るんだけど・・・
ていうか君、今日俺と日直でしょ?」

あわわわ
まさか日直の仕事もやる気満々なの!?

いやいや!!!
一緒にするのは流石にまずいし気まずいから!!

ここは私がやっとくから折原君には先に帰って下さいって言わないと!!


『あ・・あの・・「まさか忘れてたわけ?・・・まあいいけど。
さっさと仕事するよ」

『っはい』


あああああ

私の馬鹿!!!

オドオドしてて言う間も与えてもらえなかった・・・・

仕方ない
ここは一刻も早く仕事を終わらせないと!!!


『じゃ・・・・じゃあ私が黒板消すから折原君は日誌書いてて貰っていいかな?』

そしたら私は折原君と離れられるし目が合うようなこともない
それに折原君は見た感じ綺麗好きそうだしきっとチョークがまうような仕事は嫌いなはずだ
私の読みが当たったのか折原君は日誌を書きはじめた


よしっ!!
後はさっさと消してさっさと帰るだけ!!!!
そうと決まれば早速消しちゃおう!


*

*

*


うん、こんなもんかな
黒板を消し終わって折原君の方を少し見てみる



目 が 合 っ た



恐あああああ!!!
石になるぅぅぅぅぅ!!!!
てか何か凄いガン見してるんだけど!?
何で何で!?


折「酷いよねぇ、さっきからずっと見てたのに。全然気づかないんだからさ〜」

『え・・・えと・・・』

折「まあいいさ。君が視線に疎いのは既に知ってたしね」

『え??』

折「俺、いつも君のこと見てるんだけど。君は全然気付いてなかったみたいだけどね」

『・・・・それって・・』

折「視線に疎い君でも、もう流石にわかるんじゃない?」


ギクリ


これは確実にアレだ


私が折原君の正体を知っているからだ

まさか
ずっと見張られていたなんて
どうしよう


さっき目が合ったのに石にならなかったのはきっとこのためか

とにかくこのままじゃ本当に危ない!!!





『すいません!!!!誰にも言いません!!!だから命だけは!!!!』

折「は??」

『いや!!だから本当!!たまたま折原君が宇宙人っていうこと知っちゃっただけで別に皆に広げようとか考えてないし!!!・・・・てか知らなかったってことにします!!!!だから命だけはっ!!!!!!!!!』



言い切った
一気にまくしたてたから息が上がってしまった


恐る恐る折原君を見ると折原君は唖然とした表情で私を見ていた


そしていきなり笑い出した



『えっ?・・・・あの、・・・?』

折「いや〜、君が元から変わってるのは知ってたけど。まさか俺が宇宙人なんてねぇ」


うん?

それじゃまるで折原君が宇宙人じゃないみたいな言い方だな〜


折「言っておくけど、俺、普通の人間だからね?
もちろん宇宙人でもないし」



『えええええ!?

でも確かに目が合っても石にはならなかったし・・・・・
ただの噂だったのか・・・・な・・・?』

折「誰が流したのか知らないけど本当心外だなぁ
人間離れしてるのは静ちゃんだけなのに」

『何だ・・・今まで凄い怖がってたのが馬鹿みたいになってきた』

折「−君は俺が宇宙人だと思っていたから今まで俺を避けてたわけだ。
でも、もう宇宙人じゃないと分かったんだから避ける理由もないよね?」

『・・まあ』

折「俺さっき言ったよね?
いつも君を見てたって
何でかわかる?」

『えっ・・・・』


いつも見てた理由??
良くわからないけどいつも見てたなんて言ったら・・・・
それじゃ・・・・・

『なんか、それじゃまるで折原君が』

折「そう。
俺、君のことが好きみたいなんだよねぇ」





・・・・・・え、



私の絶叫が響くまであと5秒



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