自分の胸で今、広がり始めたこの気持ち。
ごく最近彼女にフられて傷心だった自分のそばにいつもいてくれた相手に、こんな感情は失礼なのかもしれない。

でも仕方がないだろう。
恩とか今後とか性別、そんなものは取っ払って。
ただただ俺はロロノア・ゾロ という1人の人を好きになっただけなのだから。


たまらなく愛しくなってゾロの顔を空に描いた、だがサンジは何故かふとあの夜を思い出した。

理由はさっき気付いたが、前の彼女との楽しい思い出を話した。
そうすると、ゾロの顔はだんだん曇ってきて。
極めつけに"もう当分恋は出来ない"と言ったら、ゾロは見たことないような表情をして家から飛び出して行った。

何だか今にも泣き出しそうな、もどかしい物を抱えたような顔をしていた。



ん…?待てよ。
もし、もしもだけど
ゾロが本当に俺が僅かに望んだ気持ちを、持ってくれていたとしたら。
あの夜あのタイミングで帰ったことも、あの悲しそうな顔も。
全部説明がつくんじゃないだろうか。

都合のいいことばかり考えているけど、もしもこれが正解だったら。


行こう、そう思う前に身体は前へ進んでいた。
目指すはゾロの住むあの小さなアパート。


過度な期待は、返答によっては本当に辛いものになるけど。
それでも一刻も早く答えが聞きたくて。
ゾロの顔が見たくて、同じ気持ちなら抱きしめてやりたくて。


ゾロ、ゾロ、今行くよ
お前に会いたい
今すぐ伝えたい


サンジは周りの目も気にせず、とにかく必死に走り続けた。

愛しくて愛しくてたまらない。
早く会いたい。
生まれたばかりの大きな愛情が、サンジを強く勇気づけた。



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次回はとうとう伝えます!
ヘタレサンジくんが
とうとう攻防を開始します
ゾロがどう出るか
それは私にも分からない←
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