自分の気持ちに気づいてから、早一週間が過ぎ。

未だにゾロはサンジと連絡を取れないでいる。

あれから何度かサンジからの着信が来ているが、ことごとく無視している。


こんなに女々しい自分には吐き気がするが。
今まで通りに顔を見て楽しく話せるか、正直不安だ。
気付かれたくない、気持ち悪がられてもう話されなくなるぐらいなら。
いっそ自分から距離を置いた方が、まだ辛くない。


ゾロはそう考えるようになっていた。
同性だろうが何だろうがサンジへの気持ちは消せない、会ってまた気持ちが広がるなら自分の中にしまって無かったことにすれば。
それが一番平和な終わり方だろう、と。






サンジは最近何をするにも上の空で。
仕事も思うようにいかず、具合が悪いに違いない、と真っ昼間から同僚に店を追い出された。
今日は少し休め、やたらと世話を焼く同僚の言葉に今日は素直に甘えることにした。


気にしてるのは、ゾロのこと。あの夜、いきなり帰ったと思えば次の日からは家に来ないどころか連絡1つ取れなくなっているし。
一体何してんだ、あんのクソガキ毬藻野郎。
ちくしょう、何か無性に苛々してきた。


そんなことを考えて。
でも平日の昼間にせっかく貰った休みを無駄にはできず、気分転換に散歩でもしようとフラフラと行く宛もなく外に出た。



長い間歩いて調理器を見たり珍しい食材を見て立ち止まったり、でも気持ちは一向に静まらなくて。


ぼーっとしばらく歩いていると、知らずの内に着いたのはゾロと初めて会った道。

ああ俺野郎相手にそんな気にしてるのか、とちょっと笑えた。
だってちょっと前までは、サンジは何時如何なる時でも女の子でいっぱいなおめでたい脳の持ち主だったのだから。


そんな自分が、たった1人の男子高校生にこんな…。
サンジは、ゾロと会ってからの出来事を1つ1つ丁寧に思い出した。


傘を差し出してくれたあの日から。
たくさん話を聞いてもらった、嬉しい話も悲しい話も。
ご飯を作ってやるとクソ嬉しそうに食べてくれる。
おかえり、と言うと少し照れくさそうにただいま、と言ってくれた。

一緒に笑ってくれた。
何より、自分が一番辛いときにそばにいてくれた。
見ず知らずの他人だった自分の気持ちを分かってくれた。

じわじわとサンジの胸を占める温かい感情。
この時サンジは初めて、自分の中のゾロの大きさを感じた。


そうだ、もう恋はできない なんて。
その言葉を聞いたゾロに、少しでも意識してほしくて。
あの子の話をしたのも、酷い話ゾロにがっかりしてほしかったんだ。


自分の気持ちに気付くまで、そう時間はかからなかった。


俺は、



ゾロが好きなんだ。



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ザ・急展開
似たような気付き方です
サンジくんあっさりすぎだ
書き直しあり得ます…。
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