雪のよく降った日の翌日の、星の綺麗な夜のことだった。

自分の経営する小さなレストランの扉にかかった看板をひっくり返して"close"の表示に変えて、俺は今日という日を締めくくるべく再び中に入ろうとしていたのだ。

ただ、それだけだったのに。




俺はサンジ、歳は21のまだまだ気持ちは10代な健康男子。

昨年養父であり有名な料理人であるゼフの元から自立して、コツコツ貯めた自分の資金で、自然の草木が生い茂る綺麗なこの地にひっそりとレストランを開いた。

最初は悪友達だけだった客足が、噂が噂を呼んで今ではそれなりに繁盛している。
これほどの自然に囲まれて、楽しく好きなことができる。
実に最高な毎日。

そんな毎日に今日、大きな衝撃を与える出来事が起こるとは、まさか夢にも思っていなかった。



「さてと…、ん?」


寒空に輝く星を少しの間見つめて、さぁ戻ろうと思ったそんな時。
俺の目には一本の木が一瞬映った。
何てことない一本の木、だがその根元に違和感があることに気が付いた。
何やら黒い影がもぞもぞ動いてるように見える。


何だろう、何かいる…?


「…人か?」


突然影から発せられる声に思わずビクッと身体を跳ねさせてしまった。
何か の正体はどうやら人間だったらしいのだ。

そいつ(声から察するに男)は木に寄りかかって座っているようで、こんな冬真っ只中で寒い夜の森、ちょっと一休みなんて雰囲気でもないようで、きっと何かの原因でそうせざるを得ないのか。


「あ、あぁそうだ。お前は、そんなとこに座って何してんだ?」

「訳あって動けねえ。寒いから家に入れろ」


何故か命令するように吐かれたその台詞に若干疑問を持ちつつも、とりあえず助けてやることにした。


これが衝撃の素、青年ゾロとの出会いである。



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続きますー!

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