今起こったことを非常に簡潔にまとめる。
空からマリモが降ってきた。


こうなる数分前。
俺は船縁で穏やかな海を眺めて煙草をふかしていた。
この船のコックとしてやるべき仕事も片付き、悠々と一服を楽しんでいたところだ。

さぁて新作料理のレシピでも考えようか、一服した後そう思いうーんと大きく伸びをして、キッチンに戻ろうとくるりと甲板側へと踵を返したその時。

上からダンっと勢いよく木製の床を蹴り出す音。
突如として俺を覆う謎の人影。

何だ、考える間もなく俺の腹にはハンパない、重量感。

うげっ、と蛙を踏みつけた時のような声をあげて、俺はドスンと床へ倒れた。
俺の腹に馬乗りになっていたのは、見慣れた緑頭のクソゾロだった。


「こンのバカたれ!いきなり何をしやがるってんだ!」

とりあえず怒っておく。
まぁ妥当だ、落ちた先が俺とかルフィじゃなかったら大惨事だったんだぞ。

するとゾロは悪びれる様子もなくケロッとして、お前だからいいじゃねえか、と言った。
こいつ俺を何だと思っているんだろう。


「そ、そうじゃなくて、お前これが俺じゃなくてもし、か弱きレディーだったら」

「そんなはずはねえさ、だって俺はお前に飛び込んだ」

間違えるはずねぇんだ。


自信満々ににやっと笑ってそう告げる、未だ俺の腹の上にふてぶてしく居座るこの男は、それより暇だ、構えと照れもせずに真っ直ぐ俺の顔を至近距離で見つめて言う。


もしこいつに動物のような耳や尻尾があるとするならば、今は千切れんばかりにブンブンと揺れてたりするのかな。

そんなバカなことを考えて心の臓がキュンときてるあたり、どうやら俺という人間もまた、相当いかれてきているらしい。


全くこの男の奇想天外な様子には毎日毎日本当に頭を悩ませるものだが、にっと笑ったこいつの顔を見たら、まぁいいやと全て投げ出して毎回こいつに構う自身にも苦笑した。
結局俺は今日もこの男に翻弄されてしまうのだ。


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バカっぽいサゾが書きたかった

最近こんなんばっかですね!


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