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ワンダーランドに幕を下げ


「なぁフラン、お前が俺におかしかったのって…前に言った『愛してる』が原因?」


ピクリと体が跳ねた。
これでは無言でも肯定してると同じ事だ。

ジーっと見つめていると戸惑うかのように俺をチラチラと見てくる。
問い詰めるように繰り返した。

「で、どうなわけ?」

モソモソとのし掛かっている俺から逃れようとするが意味ないのは一目瞭然。
ようやく諦めたらしく、微妙に顔を縦に動かした。 それが、真っ赤なにやるもんだから可愛いくて仕方ない。


(案外…乙女だな、こいつ)

毒舌とは裏腹に、可愛いらしい動作をするフランの耳朶をカプリと甘噛みしてやった。
とっさのことに一層体を強張らせたフランに面白くて、執拗に舐め上げる。
舌が動く度にいちいち反応する仕草を堪能したあと、本題に切り出した。
といっても、言うのは躊躇ってしまうような話だ。


「嫌がらせ」

「は?」

「いやさ、俺のことかなり嫌ってたみたいだから、どんな反応すっかなーって」

ふるふると怒ったように動くフランに、そりゃそうだなと思う。
俺だって同じ反応…いや、それ以上にキレるはずだ。

(でも…結局あの時から惚れてたんだよな…)

なんとも女々しい発言だとは思うが、言ってやらなきゃフランが傷つきそうだった。


「最終的に、俺はフランにおちたけどな♪」

「ベルセンパイはやっぱり堕ちた王子、堕王子ですー!!」

俺を睨み付け、腕と足をバタつかせ俺を退かせようとするフラン。
こんなの言える立場じゃねーけど…

(傷に響く…)


苦笑いしながら、自分の下にあるフランの手に俺の手を絡めた。
ちなみにカップル繋ぎというやつだ。
スベスベとして細長く綺麗な指だった。

頭に疑問符を浮かべるフランにニヤリと笑う。


「姫になったからには…もう俺から逃がさねーから♪」


弱い力だったけど、握り締め返された手。
嬉しくて、それ以上の力で再度握る。


深紅の森は魔法が溶けるように元通りに。
沢山のフランもいなくなった。
幻覚のワンダーランドはもうコリゴリだ。

緑の広がる、森に優しく日が照らす。
日の当たる場所での方が、フランの顔は優しくみえる。



(お姫様には)


(もうワンダーランドを作らせねーから)


(だってそうだろ?)



ワンダーランドに幕を下げ



(王子がたっぷり愛してやるんだから♪)






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「Special illusion verBF」の続きが気になるという要望があったので、書いてみました。
ベルが最低なことになっていますが気にしないでくださいorz
話続いてなくてすみませんorz




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