「動物が他を従わせる場合、強さを見せつけるそうだ。そうして力の差を見せつけ、絶望させる」

ぐ、とローションを垂らした後孔に指を突っ込むが、本来排泄するべき場所は綺礼の指を頑なに拒む。ひくっと嗚咽が聞こえギルガメッシュを見ると、彼の端整な顔はぷくりと腫れ上がり、鼻からは血が流れていた。王の財宝が使えないならば、と腕力で抵抗したものの綺礼に思いきり殴られたのだ。宝具も能力も使えないギルガメッシュは、ただ綺礼の為すがままになっていた。


「おのれ…おのれおのれおのれおのれおのれおのれ」
「こうして見ると到底王には見えんな」

綺礼の言葉にギルガメッシュの涙でぐちゃぐちゃの顔は瞬時にカッと赤くなった。それを見て、自分の心が不思議と高揚するのを綺礼は感じていた。

「ゆ、許さぬ!許さぬぞ綺礼!」
「別にかまわない。マスターの命令に従ってくれればな」

後孔をおざなりに解かしたあと、綺礼はすでに頭をあげていた自身を軽く扱き、ギルガメッシュの秘部に押し付ける。英雄王は苦痛に顔を歪めて、すすり泣くような声を漏らしたが、肛門はそれでもじわじわと押し広げられて、綺礼の陰茎を飲み込んでいく。

「く、くるし…っ!やめよ!今すぐやめ―…ひぎ!!」

痛みに呻き綺礼の髪をわし掴むが綺礼は体を倒し、ギルガメッシュを抱きしめるような体勢で体を密着させると、異物を拒んできつく締めつけてくる孔にさらに腰を進める。が、不意にびくりと英雄王の体が跳ねた。

「ァ……ッあ、うぅ…?」

さっと顔から血の気が引いたギルガメッシュは陸にあげられた魚のようにパクパクと口を忙しく開閉している。結合部からぬるりとした液体が滴り、入り口が裂けたのだと綺礼は理解した。

「う、え…ひっく、ひ、うえぇえん」

ギルガメッシュの呼吸が落ち着いたと思うと、次は子供のように声をあげて泣き出す。彼は王と崇められていたのだから、無理矢理、しかも同じ男に犯されるなんて夢にも思わなかっただろう。なんだか罪悪感が押し寄せてきて、しかしそれと同時に興奮しているのも確かだった。

「ん、ぅあ、えぐ、」

男には快感を得ることができる前立腺があるらしいが、綺礼は気にせずただ思うままにピストン運動を繰り返す。そもそもこの行為は恐怖を植えつけるためのものである。ギルガメッシュにとってこのセックスは苦痛や屈辱しか感じない、ただ暴力だった。





「クッ」

小さく呻くと綺礼は何回目かの白濁をギルガメッシュの中へと注ぐ。その頃には窓の外がぼんやりと白み始めていて、ふと、いつの間にかギルガメッシュが声を上げなくなっていることに気づいた。

窓から射し込む陽の光に照らされるギルガメッシュはぐったりと気を失っており、それでも絵になるのは彼が英雄王だからか。ぐちゅり、と彼の中に埋まっていた自身を引き抜くと、繋がっていた部分から赤い血の混じった液体がどろどろと溢れ出してくる。朝の静けさに包まれ、堪らなくなった綺礼は近くに転がっていたワインボトルを開けて、泣き疲れて目が腫れているギルガメッシュの体中にかけた。部屋の青臭さは一瞬にして芳醇な葡萄酒の香りに包まれ、その中で綺礼は静かに目を閉じた。

(これでいい、これでいいのだ)

それなのに、心の真ん中が穴があいたようにぽっかりと寂しく、だか確かに満たされているこの気持ちは何なのだろうか。


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ドS綺礼さんとてもうまいです。ギルガメッシュは何だか虐めたくなります。泣かせたい。正直すまん。


title:ace


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