「ギルガメッシュ、ちょっと来い」

ゴオォと窓の外が吹雪で白く染まる中、綺礼はポンポンとソファに座っている自身の足を叩く。ここに座れということだろう。自尊心の高い英雄王に命令するなど時臣がいたら卒倒しそうだが、当の本人は特に気を害した様子はなく、おとなしくその足へ腰を下ろした。

「ひゃわぅ!?」

瞬間、綺礼はギルガメッシュの服を捲り腰に腕を回す。突然のことに奇声を発したギルガメッシュを気にもかけずに綺礼は冷たい手を柔肌に這わした。

「う、あ、ァ…?」
「やはり人肌は暖かいな」
「なっ、何をするのだ綺礼!」

慌てて綺礼の膝から降りようともがくが、神父の腕は英雄王の腰をがっちりホールドしていて動けない。

「お前の手は冷たくて敵わん!早々に止めよ!」
「先ほどまで教会前の雪かきをしていたからな。冷えてて当然だろう」

喚くギルガメッシュをソファの上に押し倒し首筋に唇を落とす。びくっとカラダが軽く跳ねたのを綺礼は笑った。自身の行動にいちいち反応を示す英雄王が愉快で堪らなかった。

「ほ、ほんとにもう嫌だ…」

耳まで真っ赤にしたギルガメッシュはすんすんと鼻を啜りながら力の入っていない手でグイッと綺礼を退かそうとする。普段の彼の面影など見る影もなかった。

「綺礼の手は冷たいし、だいたい今我はそういう気分ではない」
「そうか」

呟いてカラダを起こした綺礼にギルガメッシュは安堵した。綺礼はやはり話せばわかる男だ。さっきのは彼なりの悪戯なのだろう、全くもって人騒がせな奴よ。そう勝手に思い込んだギルガメッシュのズボンを綺礼は下着ごと脱がす。

「は?」
「しかし私は勃ってしまった」
「は、え、うぁ!」

唾液で湿らせた指をギルガメッシュの秘部に突っ込むと、彼は咽喉をひきつらせて綺礼にしがみついた。女性ではないので自然に濡れることはないそこは綺礼の指を受け入れず、押し出そうと跳ね返すばかりである。

「い、いたっ痛いぞ綺礼!」
「そうか」
「我の話を聞いておるのか!痛いと言って―…ひぎっ」

ぐちゅ、といきなり入ってきた綺礼の陰茎にギルガメッシュは目を見開いた。

「あ、あ…は、」
「くっ…締めつけが痛いぞアーチャー。力を抜け…ッ」
「ぉ、お、我の……」

我のほうが痛ぃぃいい!!!
ギルガメッシュはそう叫びたかったが如何せん咽喉は酸素を欲しがって口はパクパクと陸にあげられた魚のように開閉するだけである。その様子をどう思ってか綺礼はそっとギルガメッシュに口づける。

「ん、むぅ、ふっ!」
「そう締めつけるな…っ」

意識して締めつけたわけではない。ギルガメッシュは必死に綺礼のモノを押し返そうと腹に力を込めてただけなのだ。ビクンとナカの陰茎が大きく震えたかと思うと次第にお腹が熱いもので満たされる。

「ふぁ、ア、あちゅ…ぃ」

疲れきって呂律すら回らないギルガメッシュの前髪を梳いてやると、ギルガメッシュは綺礼の首に腕を回して抱きしめた。それに応えるように綺礼もギルガメッシュの痩身を抱擁すると「痛いぞ!」と怒号が飛んだ。

「なんだムードの欠片もない奴だな」
「お前に言われたくないわ」


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「言ギルで押しに弱いギル様と押せ押せな言峰・裏は有りでも無しでも」でした。リクエストありがとうございました!


title:いいこ


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