▼Meal

「ただいまー!」
 
 
乱暴に開けたドアは自動的に閉まったが、肝心な雪男が見えない。
 
 
「おーい、ゆきおー!
 帰ったぞー!」
 
 
すると少し離れた場所からおかえりと聞こえてきた。
 
 
「なんだ、そんなとこにいたのか」
 
「ちょっと作業しててね」
 
「ふーん…」
 
「それより兄さん」
 
 
いきなり怒気の籠った声で呼ばれ、ひっ、と肩に力が入る。
 
 
「僕言ったよね…
 暗くなる前に帰ってきてねって」
 
「はい…」
 
「なのに何で晩の7時になっても
 帰って来ないの?!
 いや夏だからまだ明るいけど!」
 
「ごめんなさい…」
 
 
いつの間にか正座せざるを得ない状況に陥り、罵声を浴びつつ今日一日を振り返ってみた。
 
 
『しえみとまろまゆと…
 志摩、勝呂、子猫丸、メフィスト
 …アマイモンに会ったな』
 
「兄さんは塾でも平気で
 あんな点数採ってくるし…」
 
『にしても今日もらった
 アイスうまかったなー!
 ……はッ!アイス』
 
「……って、兄さん聞いてる?」
 
『→アイス食った→勝呂の
 →そういや俺舐められた
 →…う゛っ////』
 
「兄さん!!!」
 
「ふぇ!?ごめ、その、俺、
 舐められて嬉しい
 とかじゃなくて、えと!」
 
「は?舐める??」
 
「!!!!?
 ……いや、あの…これは」
 
「分かった、
 兄さん取り敢えず落ち着いて」
 
「雪男……」
 
「で、何処の馬の骨が
 兄さんを舐め回したんだっけ?
 志摩君?それとも勝呂君?
 あ、フェレス卿かな?」
 
「雪男お前が落ち着けええ!!!」
 
 
顔に青筋を立てながら銃を構える雪男に燐は恐怖すら覚えた。
 
 
「一人残さずゲヘナに送ってやる」
 
「わあああああああああ
 ごめんなさいほんと
 ごめんなさい!!!」
 
 
寮から出て行こうとする雪男を後ろから必死に取り押さえる。
 
 
「やだなあ兄さん、
 死なない程度に
 始末してくるだけだから」
 
「だからそれが
 だめだっつってんだよ!!」
 
『りん、なにしてるんだ?
 あそんでるのか?』
 
「クロっ!助け…!」
 
『おれもあそぶー!!』
 
「わっ、ばか! 
 巨大化すんなあああ!!!!」
 
 
ズドン、という大きな音と共に騒ぎは静まり返った。
 
 
>Meal is not prepared today!
(今日はもう飯作ってやんねえ!) End
 
 


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