▼Marbles
「だー!!あっちい!」
雪男に言われ外に出たものの暑いことには変わりない。
学園内にいても退屈なだけなので燐は街を歩くことにした。
「…にしてもこの暑さ
どうにかなんねえのか?」
喉の渇きを覚えた燐は近くにあった駄菓子屋に足を運ぶ
が、
「あ、奥村燐」
「げっ」
頭のとんがりが特徴的な悪魔に出くわしてしまった。
「そんな第一声
聞きたくなかったです」
「ごめんなさい…」
アマイモンに謝りつつ燐は目で水分になる物を捜す。
「なあ、ここラムネとか
売ってないのか?」
「ラムネならありますよ」
ほら、と指指す先には我が学園の理事長の姿があった。
「なんで
メフィストがここに?!」
「おや?
声がすると思えば
奥村君じゃないですか☆」
手には確かに水滴の付いたラムネを持っている。
「兄上の持っているラムネが
最後の一本です」
「まじかよ!!」
最後の一本と聞きテンションが一気に下がった燐にメフィストはやれやれと呟く。
「私はまだこのラムネに
口をつけていませんので
お先に飲みますか?」
「えっ…いいのか?」
かまいませんよ、と燐に冷たいラムネを渡す。
「な、なんだ…その…えっと…
あ、ありがとな!」
「いえいえ
それより私の分も少しは
残しておいてくださいね」
「え」
燐の手元にある瓶がカランと鳴った。
「ちょっと奥村君!
私の分は?!」
「わり…すげえノド乾いてて」
「一気飲みを?!!」
「あ!ほら、これやるから!」
空になった瓶に残るビー玉をメフィストに差し出す。
「私が欲しいのは
ビー玉ではなくて…」
「兄上、
僕はビー玉欲しいです」
「どうぞご勝手に!!」
明らかに機嫌の悪くなったメフィストに謝り、アマイモンに礼を言って駄菓子屋を後にした。
>Blue marbles like that child.
(あの子みたいな青いビー玉) End
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