モノクロ・レッド | ナノ







授業中。
なんの授業だったかはまあ先生で判断しよう。
田中くんが音読してる。
ああ、国語か。

なんで教科すら把握してないんだよというツッコミは前の席の人物を睨み付け嫌がらせを考えるので忙しいからという言葉で論破しよう。

席替えで見事赤司の後ろを引き当てた私は運が良いのか悪いのか。
まあ嫌がらせのベストポジションということで良いとしようと思う。
練り消し飛ばしやすいし。
シャーペンでつんつんしやすいし。
あれ二つしか思いつかない。
…………【赤司への悪戯の案募集!】とか奴の背中に貼ってみようかな。
あ、いいかも。
いや、でもそしたら赤司いじめられるんじゃね?いやそれはいかんよ。
だめだめだめ。

んー、いい方法ないかなー。

「黒坂、今は国語じゃないぞ」

プリントを後ろに回すために振り返った赤司が言った。

「……………え。」

「地理だ」

「なん……だと?」

よくあるミスだと信じたい。






 




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