私たち不思議な力を持つ者は、遠い人里離れた山に隔離されていた。
というか、監禁されていた。
ここから出ようとするなら監視の人に銃で撃ち殺されてしまう。
生まれたときからここで育った者は何の疑問も持たずに生きるし、外から来た者は外での辛さを知っているから出ようとしない。
ある意味、ここは楽園とも言える場所だった。

しかし。
私は外が恋しくて仕方なかった。
愛されていたのだ。
猫の姿になろうと、人の姿でいようと。
あの場所に帰りたい。
そうずっと思っていた。

「外に出たいか?」

竜になれるという、最近入って来た赤司くんが言った。

「出たいよ」

「なら、次の者が来たとき、隙をついて外に出よう」

「え?でも…」

赤司くんは自分からここへ来た人だ。
なのに、外に出たいのか?

「君が出たいと望むならね」

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