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ドラマチック・スター





「こんな所にいた」

読みかけのサッカー雑誌から顔をあげると立向居が笑って俺が座っているソファに面している窓の外に立っていて開け放たれた窓から顔を覗かせた。辺りを見回しても俺しかいないってことは俺を探していたのだろう。

「作戦練ってたんですか?俺も見たいです」

フォーメーションやらを真面目に考えていたところに急に来られ挙げ句心当たりがなければ怪訝な表情になるのも致し方ない。窓枠から身を乗り出す立向居に仕方なくポイントや敵のデータをまとめた紙を見せる。へぇだとかなるほどだとかやや大袈裟な相槌が返ってきたけど俺は先を進めたくて再び雑誌に目を落とした。


「不動さん、流石ですね!俺達勝てますよ!」

嬉々として言い放った立向居は紙を丁寧に返してくる。当たり前だろ、と返して作業を再開しようとするが立向居はどこかに行く様子もなく落ち着かない気分になった。痺れを切らして顔を上げる。目がかちあった。

「…そういやお前何しに来たの」

まだ動かないからそう尋ねると窓枠に両手を寝かせその上に顎を乗せた格好で立向居は笑う。なんだか様になっていて不覚にも胸がじわりと熱くなった。

「不動さんって意外と鈍いんですね」

「どこがだよ」

些かむっとしてつっけんどんに言い返すとやはり笑ったままで口を開く。

「俺が、何しに来たかって?」

勿体振った口調がもどかしい。急かすように視線で促す。愉快そうに立向居は微笑みを深くしてゆっくりと言った。

「不動さんを口説きに来たに決まってるじゃないですか!」








(それは一種のテロリズム)




あとがき

不器用様に提出させていただきました
素敵な企画に参加させていただきありがとうございました。

押せ押せなたちむに若干負け気味なあきおが好きです。ベンチウォーマーズかわいすぎんだよばか。

サブタイトル:TV様
20110116




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