3 | ナノ
VS.変態
「食えって」
「無理だっての!」
「はーん?俺の人参が食えねぇのかあ?マネージャーのゼリーは食ったのに?」
不動がぐいぐいとフォークに突き刺した人参を綱海に押し付ける。唇に無理矢理押し付けても断固たる決意のもと口は開かれない。
「あれは人参じゃなくてゼリーだろ!不動しつけーな!」
「食えってほら」
懲りずに押し付けられる人参を綱海はあからさまに嫌な顔を作ってのけ反り避ける。
「無理矢理食わすぞてめぇ」
不動が身をさらに乗り出した時身の危険を感じたのか綱海は反射的に皿の上のプチトマトをひっつかんで不動の唇に押し付けた。
「んぅ、っわああ何してんっ、だテメ!」
突如現れた真っ赤に熟したトマトに悲鳴を上げ今度は不動がのけ反る。綱海は不動が驚き落としたフォークと人参を見て自身の勝ちを確信するとにやりと笑って半ば覆いかぶさるように不動を追い詰める。
「ん?お前食えるよな?まっさか日本屈指の司令塔がトマトが嫌いだなんてことはねーよなっ!」
とびきり清々しい笑顔で綱海は不動を追い詰めると再びトマトを口に近づける。
「やめろっ!」
「おいしいって」
強情に閉ざされた唇にトマトを押し付ける。
「ん〜っん〜!」
壁際に追い詰めてもなお口を閉ざしたまま拒否し続ける不動に綱海は子供みたいだと可笑しくなってさらにからかっていたのだが。
「あっ」
「っ」
無理矢理押し付けたりしていたそれはよほど熟れていたのかはたまた綱海が力を込めすぎたのかぶちゅりという音を立てて潰れたのだ。垂れる果汁は不動の口元さらには顎を伝い首もとも濡らし不動は青ざめ絶句した。
「わりっ」
よほど食べたくないのか抗議することも無く口を閉じたまま何度も瞬き憎らしげに綱海を睨みあげる。
「(はやくティッシュ取れ!)」
詫びを入れたっきり動かない綱海に痺れを切らした不動が手の平を綱海の前に出し拭くものを無言で要求したが綱海は拭くものを取るでもなくその手を掴み壁に押し付け突然顔を不動の首に埋めこぼれ落ちた果汁を舌で器用に舐めとった。舌は鎖骨から喉へと這う。
「っ、ん」
驚きを隠せないまま丹念に舐められ声を上げそうになるが今口を開けばトマトを口にしてしまうことになると頑な拒否からか、代わりに鼻から抜ける余計色っぽい声が綱海の耳を強く刺激した。堪らなくなった綱海は尚も続け口周りも綺麗に舐めとり最後に唇を舌で一舐めした。
「っ死ね!!!」
真っ赤な顔の不動は綺麗にトマトが処理されたと同時に羞恥からかやや涙目で綱海を突き飛ばすと短くけれど大きく言い放つとさらに蹴りを綱海の腹に入れて部屋を出て行った。
(Mission1.とりあえず変態から逃げる)
あとがき
こいつやっぱり盛りやがった・・・^^
GJ☆TOMATOまさに超次元なやわらかさ
ふざけすぎましたね・・・
ついったで盛り上がったネタを元に。感謝!
20110111
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