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微睡む






不動の寝起きはそりゃもうすこぶる悪くて口もきかねぇんだけどやっぱり今日は何がなんでも起こさなきゃいけないだろ。

ってわけで日の出40分前。日の出はやっぱ同じ冬の朝焼けにすら比べられない特別なもんだし事実綺麗だし不動と見たい。ラッキーなことに家から5分のとこにある岬にいけばばっちり拝むことができるから10分前くらいに到着できれば上出来。
なんだけどよ。

「ふどー起きろって」

「…ん〜」

布団に包まって全く起きる気配はしない。さっきからかれこれ10分はこのやり取り(と言えるのかは謎)を続けてるわけで強行手段に出ることにした。

「おーきーろっ!」

「っ、う…ん」

布団と不動の間に手を滑りこませ勢いつけて腕を上げる。ばさあっと大きな音とともに布団を剥いだ。途端に寒そうに更に縮こまり不動が眉間にシワを寄せた。可愛いけど寝込み襲うのはな、新年早々さすがに気がひけるってもんだ。そんなことを考えていたらいきなり結構な力で上着の裾を引っ張られて油断してたからバランスを崩した。咄嗟に不動を潰さないように体をひねったら添い寝みたいな状況になっちまって・・・、おお、いい眺め。こいつ睫長いなあ。・・・ちょっとまてこれはマズイ、日の出見れねぇじゃねえか。

「おい、不動、起きろ」

「んん・・・」

耳元で目覚めを促してもやっぱり呻るだけ。しかも上着の裾はなさないし。手を上着から剥がそうとしたら益々きつく握られてその上体を寄せるように擦り寄ってきたからちょっと、いやほんと困る。

「こらふどー襲うぞ」

「・・・んー・・・」

俺の胸板んとこに不動が顔を摺り寄せてきて暖をとる為か足を絡めてきたからビビッた。えええ大丈夫かよ俺持つのか・・・。足つめてー。

「つな・・・み」

「うおっ?!」

まだ寒いのかぎゅうぎゅうと体を寄せてくる。普段は絶対こんなことしないし凄ぇ嬉しいけど・・・あーもうなんか日の出どうでもよくなってきたな。
さっき無理やり剥いだ布団を片手でずるずる手繰り寄せてちゃんとかけてから片手は不動の背中にもう片方は不動の髪をいじってみる。気持ち良さそうに呻ったのが猫に見えたのは致し方ない。さわさわと指を髪に通していたらなんだか眠くなってきた。ゆるゆると瞼が落ちてくる。












あとがき
あきおめ!!2011!!
案の定起きれませんでした。俺何やってんのマジジャッジスルー・・・
たぶんあきお寝てるとき超可愛い
起きてても可愛いですけどNE☆
ということで今年もよろしくお願いします!!

20110101



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