君のおかげで



「はぁ…」

今日何度目かのため息が零れる。理由は簡単で、今日がバレンタインだから。いつも一緒にいる山本と獄寺君はたくさんの女子とチョコレートに囲まれているのに対して、俺は例年の如く0。きっと今年も母さんに貰ってお終いなんだろうなーなんて思ってると、机に影がさした。それと同時に「綱吉君」と鈴の音のような声が降ってくる。


「え、まりちゃん?」

そこに立ってたのは、最近ひょんなことから俺達の危ない事件に巻き込んでしまった女の子。…というかほとんどリボーンのせいなんだけど。
まぁそんなこんなで巻き込まれてしまった後から何かと一緒に行動するようになったまりちゃん。そんな彼女が何故今俺の机の前に立っているんだろうか。バレンタインということもあって、俺の胸は期待のドキドキで溢れてきた。


『これ、どうぞ。』

まりちゃんはそう言って箱を渡し、「いつも頑張ってるから、お疲れ様!」と続けた。

「あ、ありがとう…!!」


学校で女子に、しかもまりちゃんにもらえるとは思ってなくて、ひとり心の中でガッツポーズを決める。全然山本や獄寺君の足元にも及ばないような数だけど、気持ち的には最高潮。

『喜んでもらえて良かった!じゃあまたお昼休みに。』

そう言ってまりちゃんは自分の席に戻って行った。
何だか今日は何があってもどうにかなるような気がしてきた。今なら次の時間の数学もやれる気がする。




君のおかげで僕は頑張れる


(10代目、なんか良いことでもあったんスか?)
(え?)
(ツナ今すげー嬉しそうな顔してるぜ!)



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