「ゆう、雨降りそうだから急いでかえろ」
俺のことをゆうって呼ぶのは昔からアイツだけ。
家が隣で小さい頃から毎日のように遊んでた。
「準備はえーよ!ちょっとまって、」
放課後の教室から出ていこうとする和田 大輔を慌てて追った。
むかしはこんな奴じゃなかったのに。物心ついたときから俺への態度が少し冷たくなった。最近特にひどい気がする。
「あっ!」
「なに?」
「体操服忘れた」
「またかよ、おまえほんとよく忘れ物するなぁ。」
なんだよ。これじゃあ俺がいつも忘れものをするみたいじゃないか。確かにしっかりものの大輔からしたらそうなのかもしれないが。
小さい頃から、ダメな俺をしっかり者の大輔が引っ張る。それが俺らの定位置のようなものであり関係でもあった。なんでもこなせる上、優しそうで涼しげな整った顔、ゴツくはないが男らしい体格、180p近くある身長という俳優並のルックスで女子から結構支持されている。男の俺からみても男前だと思う。告白されるのも何回も経験している。
なのに彼女らしい子を見たことがない。
「なぁ〜、大輔」
「ん〜?」
「なんで彼女作らないの?お前モテんのに。」
「なんだいきなり。」
あ、また俺のダメな所が出てしまった。
「や、何となく、わぁ!」
「っ危な、」
門を曲がった所でバイクと八合わせてしまったが大輔が俺の腕を引っ張ってくれた。助かったー…
「ふー…ゆうはガキの頃から危なっかしいよね。」
「わりぃ、引っ張ってくれてありがと。」
大輔の顔を見上げる。
数秒間目があったあと、思い出した様に目を反らした。
大輔って意外に睫毛長かったんだなぁ。
それに、なんか知らない間に大人っぽくなってるし。
「ぜ、全然雨降らねーじゃんか!」
俺はムリヤリ話題を変えた。
(なんで大輔にドキッとしたんだよ!!オレ!!男が男にときめいてどうすんだ!キモッキモ!)
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