「ただいま」
出掛けているのか返事がない。
「ごめんな、急におじゃまして」
「いいよ。どうせウチ誰もいないし。」
あのあと、急な大雨でビショビショになってしまい、大輔の家で雨宿りすることになった。俺の家はすぐ近くにあるが、俺も一人だし大輔のお言葉に甘えておじゃまさせてもらった。
「だい〜、梨加ちゃんは?」
「昨日から林間学校」
「へぇ〜」
梨加ちゃんは大輔と7歳ちがいの妹だ。リスみたいなくりくりした目とほっぺにでるえくぼがとても愛らしい。そういえばあまり大輔とは似てないなぁ。
「ゆう、こっち」「ん」
呼ばれて洗面所に向かう。
「これで濡れたとこ拭いて。」
「さんきゅ。」
やっぱり大輔はしっかりしてる。
ふと洗面器に付いている鏡を見上げた。俺の頭は大輔の肩よりも下にある。
俺は大輔とは違い、お世話でも「高校生」にはみえないだろう。
「お前ちっちゃいなー。縮んだ?」
大輔も同じことを思ったのか、大輔の手が俺の頭に伸びる。
「あ!いまぜったい子供扱いしただろ!」
「してないしてない〜」
否定してるけど笑ってるし。
「くそー!」俺は大輔のはらをくすぐる。
「わ、ちょ、やめっ、あっはっはっはっはっ〜!!」
大輔っておにいちゃんみたいだな。少しだけそう思った。
それから二人で爆笑しながら階段をあがった。





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