= その手はいつも番外編 =
お日さまとわふわふ
木の葉の里は今日も気持ちよい晴天に恵まれていた。活発で元気一杯な子供がこんな天気のいい日に家の中でじっとして居たがる筈もなく……
「ね〜えぇ!ねぇってばぁ!まだなの〜」
家の中ではナルトの催促する声が響き渡っていた。
「ねぇ〜ってば、まだ?まだ終わんないの?」
「はいはい、まだですよ〜」
「えーーーーーーー」
パンッと洗濯物のしわを勢い良く伸ばしながらサクラが答えると、不満を全面に押し出したナルトの声がまた家の中に響いた。
「だってね、サクラ。お空ピカピカでしょ」
「うん、そうだねぇ」
ナルトの声に答えながら、サクラはしわを伸ばした洗濯物を干していく。自分の服の横で風に揺れる小さな服に思わず笑顔が零れた。
「だからだよ」
「……(何がだよ)」
「ピカピカ」
「うん」
なんの脈略もなく始まり、あちこち飛んでいく三歳児の会話にも大分慣れた。
「ねぇ、まだぁ?」
「あのね、ナルト」
洗濯物からナルトへと向き合えば、くりんと大きな青い瞳が期待を込めてキラキラ輝く。
「終わった?」
「まだ」
はぁ。サクラは小さく息を吐いた。
「見て、まだこんなに沢山あるでしょう」
洗った洗濯物の入ったかごを指差すと、ナルトもチラリとかごを見る。
「もう、終わる?」
「……(はぁ)ゴメンネ、終わりません。もう少しかかるから」
「えーーーーーーー」
再び家の中に響き渡るナルトの声。
先程からこのやり取りを何度繰り返しただろうか。サクラはグッタリした。言ってもたぶん聞いてないんだな。というか、聞きたくないんだろう。
都合の悪い事は一切聞こえない。チビッコには本当に参る。
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