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■ 本を読むのは難しくて。

『神威団長、神威団長!』

「うるさいよ。何?」

『阿伏兎先輩が、部屋に閉じこもったまま五時間も出てきません!』



「阿伏兎〜。ちょっと好い加減出てきなって。阿伏兎が出てこないと、俺ご飯食べれないんだけど」

「…」

『ダメです隊長。出てくるどころか返事もしません。というか先輩一体どんな気持ちで閉じこもってるんですか。私だったら怖くてこんなことできませんよ。いつ扉破壊されるか分かりませんし』

「てか何で閉じこもってんのコイツ。馬鹿なの?どうせ下らない理由だと思うけど」

『先輩がこんなことするなんて珍しすぎて検討が何も浮かばないです。でも云業に連絡したら、最近お気に入りだった本がなくなったからじゃないかって言ってます』

「え?そんな低レベルな理由?そんなので俺十分もご飯待たせられたんだ?…よし、阿伏兎今から殺しにいくから待っててねー」

「違えけどスンマセンでしたァアアアア!!!」



『阿伏兎先輩。子供みたいな理由で閉じこもらないでくださいよ。私達も暇じゃないんです』

「違え!もっと俺は正当な理由で閉じこもってたんだよ」

『へえ〜正当な理由ねぇ。アホじゃねえの』

「なに!?今の名前の声か!?余りにも冷えきった声だったからオジサンビビっちゃったよ!アホじゃないけどアホになろうとしちゃったよ!」

「で、何で閉じこもってたのお前。三秒以内に言わないと殺」

「俺が買ったエロ本がビリビリに破けてたんで、イライラしたり落ち込んだりして閉じこもってましたスイマセン!!」



「グハァアアアアッ!!!」

「何だそんなことか。早く名前ご飯食べようヨ。お腹空いた」

『はーい』

「ちょっと待てェエ!ワンパンで無視は酷ぇだろ!それにあの本一万もしたんだからな!?分かってる?一万だよ?一万!!」

『一万円のエロ本ね。DVD付きの週刊号みたいな感じですか』

「そうそう。もう無修正の完全体のやつね。…じゃなくて、その高ぇエロ本を破いたのはこの家の中に居るのは分かってる…。早く名乗れェ!」

『自分っていうオチじゃないですか』

「うんうん」

「なんで自分で破るんだよ一万のエロ本を!どんなプレイだよ!」

『じゃあ何か?云業だとでも言うんですか。云業ってか?云業だと?云業だろ!』

「勝手に云業のせいにすんな、それに云業は犯人じゃねえ!」

「なんで」

「云業は昨日の夜からアホ提督のとこに行ってる。俺は朝起きて直ぐに破かれてないエロ本見たから覚えてる」

「なに朝立ちしたから?ねぇ朝立t」

『じゃあ私達二人のどちらかっていうことですか。いいでしょう…。犯人は神威団長だ!』

「うんそうだヨ」

『え?』「え?」

...

「だから俺だよ」

『え…冗談で言ったんすけど、マジで団長なんですか?』

「マジだよ。事の発端は今朝から始まる。ホワンホワンホワ〜ン」

『えっちょ、勝手に回想入んな』

...

「何この雑誌。キモッ」
 ↓
「名前一人でAV女優千人の力なんだから、こんなクソ雑誌いらなくない?破ろ」
 ↓
「ふー終わった終わった。さあもう一眠りしようっと」
 ↓
そして冒頭に戻る

...

『AV千人分…』

「冒頭に戻るじゃねーよ何やってんだアンタ」

「だってこの雑誌の女たち名前よりブスだし。スタイルも感度も顔も全て最高な名前に比べたらクズだなぁと思って破ったんだ。優しいだろ?」

「それをホントに善意だと思ってやったんならアンタは本当のクズだよ」

『…よしじゃあ犯人は団長って解決したんで、ご飯食べましょう。はい団長レッツゴー』

「ゴー」



「…っておい、謝れやァアアアア!!」
『団長、なんか言ってますよ』
「名前は俺がエロ本読んだら嫉妬する?ねえ嫉妬するよね?」
『いえ思う存分読んでください頼むから』



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