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鈍感銀さんとからかう人気女子



『銀さん』

「なに?」

『銀さんって普通にかっこいいよね。何でモテないの?』

「それはどうも。周りにいい女が居ねえんだよ」

『私が彼女になってあげようか?』

「遠慮します」


チッ。悔しそうに名前は舌打ちをする。俺の目はずっとジャンプに向けている。一応は、話聞いて返事してるけど。


「つーかどうして俺なわけ?おまえ顔は良いんだからよ、もっといい男探せや。真選組の大串くんとか」

『あぁ、土方さんね。イケメンだよね、優しいし。でも何か…接しづらい。怖いし』

「あーなるほどね」

『まぁまだ若いし付き合うとかは早いか!ねー新八くん!ヒマ!何かしよう〜』

「ヒマって…でもやる事ないですよ?」

『じゃあお話でもしようよ。お通ちゃんの話聞くよ!』

「え…良いんですか!?」

『うん。好きな人の話思いっきりしたい時もあるでしょ?大丈夫、引かないから!』

「じゃ、じゃあ…。コホン。聞いてくださいよ名前さん!前のライブの時!」


新八が熱を入れて名前に話し出す。俺や神楽にはどうでもいい話だが、名前は楽しそうに話を聞く。
誰から見てもアイツは人当たりが良く、愛想も良いから周りから人気がある。神楽や新八にも好かれてるし、名前が家によく来ることは別にどうってこと無えけど…。


何か俺、アイツが他のやつと喋ってるとイラつくんだけど。


『…ん?銀さんどうしたの。』

「別に?ジャンプ読み終わったから。」


二人が座るような狭いソファなのに、俺は名前の横に堂々と座る。端の方に座っている新八は呆れるように笑って立った。


「僕、神楽ちゃんを迎えに行ってきます。名前さん、話聞いてもらってすいません」

『いや全然いいよ!行ってらっしゃい』


名前が新八に微笑んで言う。


イラつく。何かすっげェイラつく。


ムカムカして、俺は思わず名前の首に腕を回す。驚くように名前は俺を見て笑った。普通に可愛いわその笑顔。


『どうしたの、銀さん。いきなり』

「別に。なんかイラついた」

『え?何かあった?』

「いや。何かお前見ててイラついた」

『ん?』


私のことイラついてるのに、何で横にいるの?とでも言いたそうに名前はキョトンとする。俺だって分かんねえよ、全然分かんねえよ、何でこいつの横居んのか。


『…あ、分かった銀さん。』


何かを思いついたように、からかうように名前は笑った。俺の返答を待つより先に、口を開いて言う。


『銀さん、嫉妬してるんだ』

「…は?嫉妬?」

『うん。ヤキモチ妬いてるんだ』

「誰にだよ」

『私に。』


…名前に嫉妬?


「俺が?なんで」

『知らないよ。私のこと好きなんじゃない?』

「…は?」

『意外に鈍感なんだ、銀さん。可愛いね』

「鈍感?俺が?全然分かんねェんだけど」

『新八くんにでも教えて貰いなさい。ふふ、銀さんもまだまだ子供だね』

「あ?俺はガキじゃねーよ。立派な大人だっての。つーか何で新八に」

『新八くんは分かってたからさ。じゃあ私帰るねー』


待てと言わんばかりに俺は立つ名前の腕を掴む。え?なんで俺。何やってんの俺。


『あはは、大丈夫だって銀さん。誰とも遊ばないって。じゃ、また来るね〜!』

「は? お、おう」


可愛いなあ銀さん。とか独り言を言いながら帰っていく名前の背中を呆然と見守る。


当然俺は帰ってきた新八や神楽に聞いた。


「新八。なんか色々分かんねェんだけど」

「何がですか?」

「俺って名前のこと好きなの?ていうか俺、名前に嫉妬してんの?」

「今更アルか銀ちゃん。銀ちゃんもガキアルな」

「えっだから、何!?何がガキなんだよ!?」




鈍感銀さんとからかう人気女子


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