×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



飲みに行きましょう。




これは、死んだ人間が集まり謎の星人と戦う一風かわった物語である。



『え!? よりにもよって今日、今川先輩が変態すぎて捕まった!? いやあ、やっと捕まったんですかぁ。でも、あの人で捕まるんなら桑原さんは?って話ですよね。絶対やばいですよね。星人レイプ罪で逮捕ーー』

「オイお前犯したろかほんま」


ペチンと軽やかに少女の頭を叩くのは、顎髭を生やした色男、桑原和男である。叩かれた女、名字名前はムッとした顔をすると、桑原に食い入るように反論をした。


『犯したろかって何ですか!そんなツッコミいらないんですよ求めてないんですよ!あっホラ私がまたツッコんじゃってるし!』

「突っ込む?どこに」

『ああもう!!一日下ネタは一回までって言いましたよね!?大の男がちゃんと守って下さいよ!』

「この俺に下ネタ一回は無理やろうが。常識的に考えて分かるやろアホ」

『いや無理でも頑張れよ!なに変態気取ってんだ!』

「まぁ落ち着けや名前。それに今川は捕まった訳やない」


名前にそう言ったのは、黒い肌で筋骨隆々、スキンヘッドの男、島木である。あだ名は、ジョージ。彼は誰もが認める唯一の常識人とも云える。


『落ち着いてられますか!…いややっぱ落ち着きましょう。今川が何ですって?』

「今川は知らん女に訴えられただけや。捕まってへん。ただ何で訴えられたのかは分からんけど」

『いや大抵予想付きますよ。痴漢とかですよきっと』

「痴漢やったら笑えるわな」

「でもアイツ痴漢モノのAV嫌い言うてたし違うやろ。多分詐欺やな」

『あ〜してそうですね。詐欺してそうな顔してますもんあの人」

「お前どんだけ今川嫌いやねん」

「なあ」


クツクツと島木と桑原は笑う。だッて、あの性格ですしね。と、釣られて笑いながら名前は言った。

そして、彼らが向かっていたのは行きつけの居酒屋である。もう一人今川という男を誘ったのだが、彼らが話していた通り、今日は来れないようだった。
折角、誘ったのに。名前は頬をぷうとふくらませた。

彼らが居酒屋に着いたのは夜の七時を過ぎてからだった。


『乾杯〜っ!!』


名前の掛け声と共に、三人は生ビールや烏龍茶を飲む。名前が烏龍茶なのは、成人になって間もなくビールに慣れていないからである。
桑原はイッキ飲みを豪快にすると、ジョッキを音を立てて机に置いた。


「あ〜生き返った…花金バンザーイ!!」

『明日から休みですね〜。といっても私達は黒飴があるんでしたね』

「そやで。ほんま疲れるなぁ。夜くらい女の子と遊ばせてくれてもええのに」

「お前の為に黒飴があるんやろ」

『そうですよ。ていうか十分遊んでるでしょ桑原さん』

「え?俺?いやいや、全然遊んでへんて」


ヒラヒラと手を振りながら桑原は否定をする。そんな訳ないと、疑念が混じった目を二人は彼に向けた。


prev back next