四月馬鹿夢 | ナノ

猫の戯れ

今日もモビー・ディック号の上では宴会が行われました。
私も勿論参加するけど、お酒は飲みません。
オヤジ殿にお酌したり、酔っぱらって倒れた人の介抱をしたりと忙しいです。
そして今晩。珍しく酔いつぶれたエースさんがいました。
サッチさんとハルタさんと飲み勝負をしたみたいだけど、無茶をしたせいでエースさんが一番に沈んだ。
サッチさんに「持っていけ!」と言われたので、引きずりながら宴会から離れ、甲板の隅へと連れて行く。重たい…。


「気持ち悪ィ…」
「大丈夫ですか?お水いりますか?」
「名前ー…名前かァ?」
「はい、俺です。あの、本当に大丈夫ですか?」
「おう。………」
「な、何ですか?」
「ちょっとこっち来い」
「え?」


船に寄りかかり、焦点の合わない目でジッと私を見つめてくるエースさんに、ちょっとだけ後退すると、腕を掴まれた。
そしてそのまま引き寄せられ、エースさんに抱きつくような形になり、慌てた私は離れようとしたが、離してくれない。


「え、エースさん!?」
「名前…」


耳元で聞いたことのないような声で名前を呼ばれ、背中に悪寒が走った。
い、今の気持ち悪い…!
再度離れようと身動きをとるが、強い力がそうさせてくれなかった。


「名前、名前、名前ー」
「エースさん…、ちょっと寝たほういいですよ?」
「んー…」
「うひゃあああ!」


首舐められた!?な、何で…!


「エースさん!ちょ、首舐めないで下さいよ!」
「おー」
「いっ…!か、噛まないで下さい!ひっ、も…!何がしたいんですか…!」


首を舐め、その場所に唇をあて、甘噛みをするエースさんに私は必死に抵抗をするが、力強すぎ…!
しばらくの間座ったまま抱きしめられ、首ばっか舐めてくるエースさん。
気持ち悪いし何だか怖いし、何より力入んない…!


「エースさん!これ、やだっ!」
「おー、気持ちいいなー。うめェ」
「会話ァ…!」


いつの間にか甲板に押し倒され、楽しそうに笑うエースさん…!
な、なんか解んないけど………。これイヤな予感!


「マルコさああああん!」
「エース!」
「いでッ!」


マルコさんに殴られ、蹴られ、海に落とされたエースさんは次の昼まで目を覚まさなかった。
あー……赤くなってないか確認しとこう。





リクエスト。
「エースが酔って女主を襲う」