嘘つきました。その2 「エースお兄ちゃん、サボお兄ちゃん、ルフィ、ちょっと聞いて」 「おう、名前のためならいくらでも時間割くぞ!」 「どうした名前?エースにまたセクハラされたのか?」 「どうかしたかー?」 「とうとう私に彼氏ができました!」 「「は?」」 「カレシ?なんだ、うめェのか?」 「ルフィは何でもかんでもご飯のほうにいっちゃうんだね…。恋人のことだよ。解る?」 「んー……」 「美味しいものを一緒に食べたり、一緒に寝たり、お喋りしたりする人のこと」 「ああ、俺のことか?」 「え!?」 「だって俺、いっつも名前と飯食ってるし、一緒に寝てるし、喋ってんじゃん!」 「あ…」 「俺らコイビト同士だったんだな!」 「ルフィ…」 「っておいいいい!ちょっと待てルフィ、名前!お、お前ら俺らがいない間に…そんなっ…!」 「落ちつけよエース。今の流れ的にそんな感じじゃなかっただろ。名前、どういうことかお兄ちゃんにちゃんと話してくれるか?」 「……サボお兄ちゃん、顔怖い」 「何言ってんだ。笑ってるだろ」 「それが怖い…」 「サボこえー…。すっげェ怒ってるぞ…」 「サボ下がってろ。名前への尋問が俺がするッ!さあ吐け!いつの間に外で雄なんて作ったんだ!お兄ちゃんはそんなふしだらな女の子に育てた覚えはありませんよ!」 「エースお兄ちゃんとサボお兄ちゃんは女の人と外で遊んでるのに…?」 「サボテメェ!やるならちゃんと隠せよ!」 「テメェも言えた義理か!とっかえひっかえが激しすぎなんだよバーカ!」 「ししっ。エースもサボは仲良しだなー」 「ていうか話進まないんだけど…」 「ともかく彼氏ができたので、明日から少し帰るのが遅くなります」 「可愛い妹に彼氏ができたんだ…。エース、心から喜んでやろうぜ」 「そうだな、俺らもシスコン卒業しなきゃな…」 「サボお兄ちゃん、エースお兄ちゃん…」 「門限時間は六時。携帯はいらねェって言ってたよな?じゃあこのまま当分なしな」 「あと言うの忘れてたけど、俺明日から大学休みなんだ。だから送り迎えしてやる!嬉しいだろ?」 「休日は俺に付き合ってくれるって言ったよな?今度遊びに連れてってやるよ。嬉しいだろ?」 「あ!今度の連休は四人で遊びに行くんだよな!?俺今からすっげェ楽しみだ!」 「邪魔する気満々だね」 「あ、悪い名前!その前に兄としてやることがあった。なあサボ」 「だな。名前、そいつの名前と住所を教えてくれるか?勿論可愛い妹の彼氏なんだ、挨拶するだけだって。な?」 「勝負すんのか!?俺も行くー!」 「おう、好きなだけ暴れてこい!」 「暴れてこいって言ってるじゃん…。解った。言うからちゃんと聞いてね?」 「サボ、メモの準備だ」 「とる必要もねェ。俺の記憶力なめんな」 「強ェやつだったらいいなー!」 「一人は黒髪くせっ毛で、ソバカスがよく似合う人。一人は金髪で大人っぽいのに子供っぽさを残してる人。もう一人はとにかく素直で人懐こくて、可愛い子」 「……名前、それって…!」 「…ははっ、やられたな」 「誰だそいつら?」 「三人が大好きだよ。これからもずっと一緒にいようね?」 「名前ーーー!あったり前ェだろ!言われたって離してやるか!」 「エースは離せ。俺が名前を抱きしめるから」 「俺も名前が好きだぞ!勿論エースもサボも好きだッ!」 な ん だ こ れ 。 |