四月馬鹿夢 | ナノ

その女、魅力につき番外編

!注意!
20万打企画の「その女、魅惑につき」をエースバージョンで。





エースは名前の手を取って、迫ってくる仲間をかいくぐり外へと出た。
後ろでは四番隊の隊員達をマルコとイゾウが必死に倒していた。
外に出たエースは、足の遅い名前を担いで、普段使われない倉庫へと入って行く。
ここなら人が来ないとふんだのだが、


「エースさん…?」
「うっ…」


二人っきりになってしまった。
担いでいた名前を下ろし、自分もその場に座りこむ。
向い合う二人。子供のときより近くなった距離に、思わず顔が赤くなってしまい、顔を反らすと名前は不思議そうに首を傾げた。


「エースさん?どうかしましたか?」
「な、何でもねェよ…。あんま近寄んな!」
「でもエースさんが肩掴んでるから…」


近寄るなと言いながら、両手は名前の肩に手を添えている。
そのせいで名前も身動きが取れない。


「なんか皆が怖かったですね…」
「お前が変わっちまったからな…」
「俺そんなに変わりましたか?」
「鏡見たか?」
「あんまり…」


そこで笑い合う二人。
普段と同じような空気が流れたが、外で「名前はどこだ!」という仲間の声を聞いて、名前はエースに抱きつく。
エースも名前を隠すように抱きしめ、傍にあった樽に身を隠す。
さらに密着し、お互いの心音が身体を通じて聞こえる。


「行ったか…?」
「行きましたかね」
「あいつらしつけェな…。さすがサッチの隊員」
「サッチさんの変わりようが一番怖いです」


そのままエースを見上げると、思ってた以上にエースの顔が近くにあり、思わず固まってしまう。
徐々に顔が赤くなる名前に、エースの顔も赤くなる。


「お、お前近ェよ!」
「だだだだってエースさんが腰掴んでるから…!」
「お前が抱きついてきたんだろ!もう離れろよ!」
「だから腰…!腰から手離して下さい!」


エースが解放すると、名前はすぐに離れる。
それがちょっと楽しくないエースは、またすぐに抱きしめる。
今度はエースが名前に抱きつくように。
名前の胸がシャツ越しに当たって、少しだけ身体に力が入ってしまった。


「エースさん…?」
「名前…。あのな、」
「――――あれ?」
「あ…」
「戻った!元に戻りましたー!」
「……な、なんだよ…!」


なくなった柔らかい感触に、不思議に思って名前から離れると、いつもの子供に戻っていた。
名前は喜んでいたが、エースは眉をしかめてそのまま樽に背中を預ける。


「あ、ところで何か言いませんでしたか?」
「何でもねェよ!ほら、もう出るぞ!」
「はーい!」


名前の手を取り、倉庫から出ていく。
先に歩くせいで解らなかったが、エースの顔が真っ赤に染まっていたのだった。





リクエストより。
「以前女主が体だけ大人になってマルコさんが襲いそうになった夢をエースバージョンで」