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・イグニールやメタリカーナがS級魔導士設定 ・リクエストなのにキャラ崩壊注意とか本当に申し訳ございません切腹します。
「暇ねぇ〜…」 騒がしいギルド内ではル―シィがカウンターでうなだれていた。 いつもよりもギルドの人数は少ない。皆仕事に向かっているのだろう。 家賃目的でいつものメンバーで仕事に行こうとしたが、ナツたちは珍しく行く気がしないようだ。
「そうよねぇ。…王様ゲームでもする?」 「わっいいですねー」
この時点では、誰も予想していない事だろう。 ミラジェーンの言葉と女性陣の反応によりその悲惨な幕は上がることになる。
「と、いうわけで。せっかく罰ゲームつきの王様ゲームをやるのなら衣装一式用意してみましたー♪」 「す、すごいわねミラ…」
まるでこの瞬間を待っていました!とでも言うかのようにミラは一瞬にして衣装を揃えた。 メイド服、チャイナ服、ナース、セーラー服、バニーと各種そろっている。
「おっ何やんだ?」 「罰ゲ…王様ゲームよ。ナツもやる?」 「ミラなんか言おうとしただろ?」
殴り合いをしていたナツとグレイがミラジェーンに歩み寄る。 楽しそうに顔を輝かせるナツと、揃えられている衣服にグレイは眉をひくつかせた。
「……おいちょっと待て。これ男専用の罰ゲームじゃね?」 「はいはい。気にしない気にしない♪中には際どい服もあるから女性陣にも罰ゲームっちゃ罰ゲームよ♪」
グレイの言葉をミラジェーンは無視し、素敵な笑顔でどよめく皆をまとめ上げた。 ちなみにこれは男女問わずギルドに居る人間全員強制参加。
「しっかしミラよくここまで揃えたな。…ウェディングドレスまであんのか」
まじまじと衣装を眺めているイグニールが呟く。 彼の目の前にあるウェディングドレスはレプリカで、それほど高価なものではない。 高価な物ではないが、見た目は本物と大して変わらない。
「はぁぁ〜…これメタリカーナ着てくんねぇかなぁ〜…」 「おい、ガキの前で言うか?」
イグニールに向かって青筋をガジルは立てる。 ちなみに幸か不幸か現在メタリカーナは三日前から仕事のためギルドにはいない。
「私じゃないのよこれ揃えたの。一部の男性たちがガジルに似合うからーって買ってきたの。」 「おい、その事について詳しく話せ。」
ミラジェーンの言葉に青筋を浮かべたガジルが言い寄る。 大方目星はついているが。
だがそんなガジルを彼女は「ゲームに参加したらね♪」とこれまた素敵な笑顔で返したのだった。
ゲームが始まり、数十分。 一般の人間が見れば仮装大会でも開いているのかと誤解するほどの光景が広がっていた。
女性陣が肌の露出の多い服などを着ているのは目に良いが、酷いのは男性陣の格好だった。 グレイはゴスロリ、ナツはバニーガール、フリードはセーラー服、エルフマンが女性用の浴衣などなど… どれもこれも「9番の人はゴスロリを着る」などの命令の結果である。
元の服に戻るには、また新しい命令を受けるかこのゲームが終わるかの二つしかない。
「ぶははっ!!ナツ傑作だなおい…っ」 「笑うなぁ!!」
まだ罰ゲームを受けていないラクサスとイグニールは仲良くテーブルに座りナツを見て笑っている。 イグニールはテーブルに突っ伏して笑いを堪えているが、あまり意味がない。
「ぷっくくく…っ写真に収めてぇぇ…っ」 「イグニールも笑うなよ!!」 「はいはーい、次よ次。くじ引いてー」
父親にこんな姿見られてナツは顔を赤くした。 しかし、一度着たらどのみち逃げられないためミラジェーンから数字の描かれているであろう棒を一本引く。 その棒を見てナツの顔は変わった。
「王様だーれだ!」 「はいキタコレェェェェ!!!」
笑われていた羞恥など忘れ、ナツは勢いよく手をあげる。 今までナツは「王様」を引いた事がなかった。
「ガジルがメイド服を着「数字言え数字ぃ!!!!!」
ナツの頬をガジルは殴り飛ばす。 ちなみにガジルの服はまだ通常のままである。 運よく彼は罰ゲームから逃れているが、一部の人物たちは「つまんねぇの」と口を尖らせている。
「それじゃあなぁ…5番の奴がウェディングドレスを着る!」
その命令は女性陣にとっては憧れそのものだろう。 命令を受けた人物はとても分かりやすい反応をした。
しかしそれは歓喜の物ではなく、どんよりと地獄に突き落とされたかのような重い空気。
ナツの第六巻が働いたのか…その証拠にガジルの手には勢いで折られた棒が握られており、数字は「5」と書かれていた。
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