天気は快晴につき ガジル+ウェンディ



腰の辺りに軽い衝撃を受けて、ガジルは振り向いた。
そこにいたのは、藍色の髪の持ち主。
名前は確か

「ウェンディ?」
「ご、ごめんなさい!前が見えなくて…!!」

体ごと後ろを向き、慌てる彼女が抱えるものを見やる。
白いシーツを両手いっぱいに抱いていては、前が見えなくなるのも無理はない。

「あの、大丈夫でしたか?」
「その言葉、そのままお前に返してやるよ。おら」
「あっ!」

その手からシーツを奪い、庭へ出る為に歩き出す。
おおよそ、仮眠室のシーツを洗濯するのだろう。
外からは、洗剤の匂いがした。
大股で歩くガジルの背を追い、ウェンディも小走りでついくる。

「あの、私が持つから大丈夫です!ガジルさんに手伝わせるなんて…!」
「なら、さっきみたいにぶつかりながら歩くんだな」
「あぅ…」

赤い目に見下ろされ、眉尻を下げて口ごもる。
この光景を見ただけじゃ、まるでガジルがウェンディをいじめているように見える。
まぁ、無理もない。
と言うか、何故自分が手伝っているんだ。
頭の隅で擡げた疑問に首を傾げていると、くっ、と服を引かれ、再び視線を下に寄越した。

「何だよ」
「えっと…ありがとうございます。ガジルさん、優しいんですね。えへへ」
「んなっ…!」

顔から火が出る、とはこの事か。
にこにこと微笑むウェンディから視線を外し、足早にその場を立ち去った。

「あ、ガジルさん!!」
「うっせぇ!!とっとと洗濯しやがれクズ!!」
「待ってください〜!っきゃあ!!」
「って何でめてェは転ぶんだよ!!」
「ご、ごめんなさいぃ…!!」

ギルドの一角で繰り広げられる、何故か心温まるやりとりに、メンバーは癒されていたのだった。


E N D


おまけ


「…俺もやってみようかな、アレ」

「やめとけナツ。お前がやったら殴られて終わりだ」

「何でだよーウェンディだけかよチクショー!!」


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