どくどく、脈打つ音が煩い。勿論俺のじゃあない。彼女の。目の前にいる俺に抱かれちゃっている彼女の音だ。首筋に顔を埋めれば嫌みとも取れるくらいの音が聞こえてきた。気持ちいいの?興奮しちゃってるの?耳元で囁けば小さく首を振る。素直じゃないのは変わらないなぁ。少し腰を持ち上げて、奥を突いてやればあんあん喘ぐ。感度も好きなところも変わっちゃいないのに、何で君の大事な所は変わっちゃったんだいなまえちゃん。あ、今世はなまえちゃんって名前じゃないんだっけ。まぁいいや。俺にとってはなまえちゃんなんだから。俺と一緒に仕事して、俺と天国散歩したのも、俺と一緒に鬼男くんに怒られたのも、俺のこと好きだって言ってくれたのも、俺のこと生まれ変わっても忘れないって言ってくれたのも、全部なまえちゃんなんだから。なのに何で、他の男と楽しくやっちゃってんの?せめてさぁ、俺に似てる男なら良いよ。死ぬまで独りも寂しいもんねぇ。でもさ、何で一生の愛とか誓っちゃってんの?死が2人を別つ間で?それっていつ?俺が直接手を下せないこと分かって言ってんの?そんな子は地獄に落としちゃうよ。掴んでいた手首に更に力を込めて、休む事なく腰を振る。ただただ盛りの ついた獣みたいに腰を振って、正常に機能してない形だけのモノを吐き出して果てた。ずるり、彼女から自身を取り出す。意識朦朧とする彼女が小さな声で名前を呼んだ。えんま。ねぇ俺、今世の君に名乗ったっけ?彼女の秘部から垂れる液はなんの意味もないただの液で、人間の形をしているけど、俺には赤い血だって流れていない。彼女の首筋にそっと手を添えれば、とくとく。脈打つ音が聞こえる。生きている。俺にはないその音が酷く疎ましい。早くその音止めて、また逢いにきてよね。 こんなのただの オナニーじゃない 110729 |