高揚と動悸を必死で押し殺しながら帰路を辿る。かつてこれほどまでに自宅が遠いと感じたことがありましたでしょうか。小走りを続けるも早々に息が上がり苦しい。日頃の運動不足を酷く悔やみます。ああ早く早く早く!一刻も早く!革靴の底がアスファルトを蹴り上げる音が焦燥感を更に煽る。
やっとの思いで着いた自宅の鍵穴は焦りから上手く鍵を受け付けません。ガチャガチャ、ガチャン。サムターンが回った音に情けないながらも少し顔が綻ぶ。ドアを開けると見慣れた玄関、奥から見慣れた姿が駆け寄ってきます。

「おかえりなさ、うわ!?」

一日ぶりの彼女の笑顔を見て、堪らず抱きしめそのまま押し倒しました。女性特有の柔らかい感触と香りがわたくしの中に入り込み微量ながらも満たされていく。彼女の首筋に顔を埋め大きく深呼吸。ああ、まだ、足りない。

「お疲れさまですノボリさん。あの、ごはん、できてますよ」
「その前になまえを頂かなければわたくし死んでしまいます!今日一日がどれほど辛かったとお思いで!?」

そう。とても辛い地獄のような一日でございました。わたくし、いわゆるセックス依存性に近いものを患っておりまして長い時間性行為をしないと動悸息切れなどの禁断症状が出てきてしまうのです。近いもの、と申しますのはそれが本当の依存性の方々と違い誰彼構わず求めるのではなく、恋人であるなまえだけに向けられているのです。いくら気持ちよくなりたいからといってなまえ以外の女性とは更々する気になりません。しかし身体は快楽を求め止まない。
普段はなまえも地下鉄で働いている身。休憩時間の度にひと気のない共同トイレや仮眠室に連れ込み抜いてもらい時には本番行為にも及びます。もちろんそれだけでは飽き足らず家でも散々行うのですが…。症状が出ないのはバトル中だけでしょうか。それ以外の時間は常になまえを欲してしまう。
そして残念なことに本日はなまえだけが休みだったのです。いくら自分の欲求の為とはいえ、休日出勤させては上司失格でございます。必死で気持ちを抑え一人で処理することがどれ程までに辛く、惨めなものであったか。もう一人で行っても気持ちよさなど感じない。

「あの、せめてベッド行きませんか?」
「嫌です。今直ぐここで、貴女を抱きたい。帰り道からずっとこうだったのです」

なまえの手をとって、腫れ上がった自身へと持っていく。十分に熱が集中してしまったそこは硬く、スラックス越しでも敏感になまえの手の温度を感じとり更に熱くなった。羞恥から顔を紅くし手を退こうとするその仕草や表情も大変そそります。
性急に彼女の服を脱がしブラジャーを上へずらす。ぷっくりとした先端を口へ含めば漏れる嬌声。左手を下着の中へと滑らせまだあまり濡れていない秘部に指を這わし、上下に擦ればじんわりと湿り気を帯びてきました。少し指を中へと押し込み入り口広げるように弄り…、もう無理です。

「んん…っ!ちょ、ノボリ、さん!」
「申し訳ございません。我慢の限界で。痛いですか?」
「痛くは、ないけど、はぁ…っ、苦し…うぁっ!」

スラックスのチャックだけを下げ、まだ十分に解していない秘部にあてがい体重をかけて多少無理やり奥へと進めていく。慣らしていない膣内はとても狭くきゅうきゅうとわたくしのモノを締めつけます。いくら昼間一人で抜いたとはいえ、やっと彼女の中へと入れられたので正直これだけで果ててしまいそうです。

「やっ ぁ、ああ…っ 奥、いやぁ」
「はあ、なまえ、気持ちいいです…」

なまえの両脚を上げさせて、抱え込みながら更に深い場所を突く。擦れる感覚がどうにも気持ちよすぎてしまい腰の動きが速くなるのを止められません。

「んっ 申し訳ありません、そろそろ…、ぅぁああ……」

大きく身震いし、溜まっていたものを全てなまえの中へ吐き出しました。ゆっくりと半分抜くと共に零れ落ちていく白濁液。ああ、もったいない。

「ひゃっ!? あっあっ、ノボ、りっぁああ…っ」

終わったと思い完全に気が緩んだなまえの中に、また深く自身を埋めます。なまえの愛液とわたくしの精液が混ざりぐちゃぐちゃといやらしい音が響く。萎えていた自身はまた直ぐに熱が集中してきました。

「先程は興奮のあまりわたくしだけが満足するような行為になってしまい申し訳ありませんでした。まだイケていないでしょう?ご安心下さい。わたくしが感じた以上の快感をなまえに味合わせて差し上げます」

喘ぎ声を出し続ける口に舌を滑らせる。唇をなぞり舌を絡ませて、必死で求めてくるなまえが可愛くてなりません。
一旦抜き、四つん這いにさせ後ろから入れるとひと際大きな声で喘ぐ姿もまた愛おしい。

「ふっ、もう少し声を我慢なさらないと外へ丸聞こえですよ?」

その言葉に両手で口を覆い必死で声を殺す姿も、体勢が崩れ尻を突き出すような姿も、時折こちらを見やる姿も。ああ!やはりわたくしの性欲が止まらないのはなまえ、貴女のせいでございます!

「ぁっあっ ノボリ、さん、もう…っ」
「限界ですか?ではわたくしも」
「ひっ、やあっ…!ぁああっ ぅあああ……!!」

背中から腰をゆっくりと撫であげると床に頬を擦りつけイってしまわれました。後を追うように腰の動きを速め二度目の射精を終える。背中に抱きついて首筋にキスを落とせばくすぐったそうに身をよじられました。

「んう…。満足、できました?」
「今のところは。また直ぐに欲してしまうでしょうが。こんなわたくしは嫌ですか?」
「今更ですよ」

そうですね。これも全て振り向いてキスをねだる貴女のせいなのですから。


121101

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