▼ 絶対逃がさない
「あっ、あっぅあぁ!イクッイク、イッ…ああああ!!」
部屋のベッドの上で悲鳴を上げながらガクガクと全身を震わせる真理。
下着も何も身に付けてない体は、両手両足を縛られて大の字の格好で固定されている。
閉じることのできない股間には一本のバイブが突き刺さっている。
根元まで膣内に深く埋まったバイブは、けたたましい駆動音を立てて肉壁を擦り続けている。
メチャクチャに掻き回されて、バイブと媚肉の隙間から泡立ちながら溢れ出る愛液。
お尻を伝ってベッドへと滴り落ちて行くそれはシーツに大きな染みを作り、真理がどれほどの快感に溺れているかを物語っていた。
…一体どれほどの時間、玩具に犯され続けているのだろう。
何度も何度も強制的に絶頂へと突き上げられている真理にはもう時間の感覚などわからなくなっていた。
口の端から涎をこぼし、汗に濡れた髪を振り乱しながら真理はただひたすら、このいつおわるのかもわからない快楽地獄に泣き悶えるしかなかった。
「いあっ、あああ!もお…っ助け…あっあ、あ、イクッまた、あ…っひああああ!!」
──ガチャッ
激しく下半身を跳ね上がらせて何十回目かの絶頂を迎えたそのとき、部屋のドアの開く音が突如響き渡った。
「あっあ…!け、いすけ…っ!!」
視線を向けるとそこには真理の恋人の啓介が立っていた。
「お願いっ…もうやめてっ…こんなこと…!」
拘束されている体を限界まで起こして啓介を見ながら真理は必死に訴える。
だが啓介は何も答えず、感情の読めない笑顔を浮かべながらわざとゆっくりと真理のもとへと歩み寄っていく。
「あーあ、布団ビシャビシャだね。…そんなにコレ気持ちよかった?」
「ひああっ!!やめっ…あっあああ!」
固定されているバイブを掴んで深く押し込むと、グジュッという水音と共に透明の飛沫が吹き上がった。
啓介は円を描くように大きくバイブを動かして内壁を執拗にえぐっていく。
「ねぇ、何回イッたの?」
「あああッ!やめてっ、やめてぇぇっ!」
2、3度大きく体を跳ね上がらせて喉を仰け反らせて悲鳴を上げる真理。
どうやらまたイッてしまったようだ。
それでも啓介は手を止めず、それどころかますます勢いを上げてバイブを動かし膣内を掻き回していく。
「もしかして、俺なんかよりこの玩具の方がイイんじゃないの?」
「そんなことないっ…あッああ…っもうやめてぇ…!」
「嘘だ。だって俺と別れたいんでしょ? 俺のことなんかもう興味ないんだよね?」
「わっ別れない…!別れないからぁっ!お願ぃ…っもお許してぇ!」
…そう。
真理がこんな仕打ちを受けるはめになったのは、真理が啓介に「別れたい」と言ったのが原因だった。
その言葉を突きつけられた途端、今まで一度も怒ったり感情的になったりしたことのなかった啓介が豹変して真理をベッドに縛り付けたのだ。
「…本当に別れない? 俺のこと好き?」
「好きっ…好き、ですっ…!」
真理は啓介を見つめて必死に何度も頷く。
「じゃあ俺の、挿れて欲しい?」
「ぅんっ…!」
本当はもう犯されるなんてこりごりだったが、今のこの地獄から逃れられるならと真理は大きく首を縦に振った。
「欲しいならちゃんとおねだりしてよ」
「…っ啓介の…、い、挿れて…下さい…っ」
「そんなんじゃ足りない」
「〜っ、バイブじゃ嫌なのっ…啓介のが欲しいのっお願い…!」
「もっと」
「啓介とエッチしたい…っ!啓介のおちんぽでめちゃくちゃにして下さいっ…!!」
顔中を真っ赤にさせて叫ぶと、啓介の口元がニタリと歪んだ。
「もっと下品なこと言わせたいけど、可愛かったから今回はそれで許してあげる」
そう言うと啓介はバイブのスイッチを止めて引き抜いた。
バイブを追うように白濁した粘液が真理の中から溢れて淫らな糸を引く。
やっと刺激から解放された真理はグッタリと脱力して虚ろに天井を見上げながら深々と息を吐いた。
バイブを適当に放り投げて啓介はズボンのファスナーを下ろして自身を取り出す。
現れたそれは、限界まで硬く膨張して血潮をたぎらせていた。
待ちきれないとばかりに素早く真理の腰を抱いて軽く持ち上げ、膣口に自身を押し当てる啓介。
「えっ…!?」
普段は当たり前のようにあった『ある動作』がないことに驚いて真理は思わず目を見開いて顔を強張らせる。
「ちょ、ちょっと…っ、ゴム付け──っあああぁあ!!」
そんな真理の動揺などお構いなしに啓介は脈打つ亀頭を一気に真理の中へと突き入れた。
「いやぁああっ!」
生で入れられたことに恐怖して真理は悲鳴を上げて掴まれている腰をくねらせる。
だがその抵抗とは裏腹に、今までバイブを咥え続けていた膣内は簡単に啓介のモノを包み込み、深い所まで侵入を許してしまっていた。
「やだっ…ゴム付けてよぉっ!」
「俺たち愛し合ってるんだからそんなもの必要ないでしょ」
初めて直接味わう真理の感触と熱に酔いしれながら啓介は徐々に内付けを速めていく。
「いやッあああ…っゴム、付けないとやだっ…あっんあぁッ!」
「なんで? 俺のこと好きじゃないのっ?」
「ひあぁあぁーッ!」
ギリギリまで引き抜き、体重を乗せて一息に根元まで沈め込む。
内壁を荒々しく擦られて貫かれ、電流の突き抜けるような衝撃に真理は背中を反らせて激しく泣き悶えた。
「やっぱり本当は俺とセックスするの嫌なんだ?」
「ちがうっ…だって、ゴムしないとっ、赤ちゃんできちゃうよぉっ…!」
「いいじゃん、出来ても。むしろ作ろうよ。中に出してあげるからさ」
「やっ…!?やだっだめ…!抜いてぇっ!」
逃げようとする腰をさらに強く掴んで啓介は手加減なしに自身の切っ先を最奥へと打ちつける。
真理を見据えるその瞳は狂気に満ちていた。
「俺と真理の子供作ろ? 赤ちゃんができたら、真理はもう俺から逃げられないよね?」
「いやああっやめてっ啓介…!お願いっ…!!」
「真理も赤ちゃんも一生俺が愛してあげるから。だからずっと一緒にいよ。別れるなんて、絶対許さないからね」
ジュブッ、グチュッグジュッ!
打ちつけに合わせて大きく激しくなっていく粘着質な水音。
身勝手な欲望を最大限に奮って、啓介は飢えた獣のように何度も何度も抽挿を繰り返す。
蕩けた肉壁をえぐられ、貫かれるたびに結合部から愛液が飛び散る。
真理はただ泣き叫ぶしかなかった。
不自由な手足を精一杯ばたつかせて涙声で啓介に静止を求め続ける。
「…はぁ…っ、イきそーになってきた」
しかし訴えは届かず、啓介の口から出てきたのは背筋の凍る言葉だった。
「いっ…いや…っ抜いて!中には出さないでぇっ!」
「何言ってんの。真理を孕ませるんだから、一滴残らず真理の中に出してあげるよ」
「やああぁああッ!!」
啓介は腰の動きを加速させ、さらに鋭く獰猛な奮撃で追い上げる。
「くっ…、出る…っ!」
そして切迫した声を上げると同時に身体をビクンッと震わせて熱い欲望を解き放った。
「ああぁぁっ…ぅあ…あ…っ」
ドクドクドクッ
肉棒の生々しい脈動と熱い液体が注がれる感覚が下腹部に染み渡り、真理は見開いた目から大粒の涙をこぼす。
「はぁ…、いっぱい出た…」
真理とは対照的に啓介は恍惚とした表情を浮かべながら至福のため息を吐く。
ゆるりと腰を動かすと、膣口から白い粘液が漏れ出てベッドへと滴り落ちていった。
「泣くほど嬉しいの? …ほんと可愛いね真理は」
残酷なほど優しい笑顔で真理の濡れた頬を撫で、啓介は再びなだらかな抽送を始める。
「でもまだ終わんないよ。真理のお腹の中、俺の精液でいっぱいにしてあげるね」
「ぃや…っああぁ…!」
弱々しく首を横に振る真理。
しかし啓介の行為は止まらない。
誰も立ち入ることのない2人きりの空間に、狂った笑い声と悲鳴と、淫猥な水音が響き続ける…。