短編[甘] | ナノ


▼ お兄ちゃんの玩具2‐01

「奈津ー、ちょっと来て」

身支度を済ませて、登校時間になるまでのんびりしてようと部屋でくつろいでいたら隣りの部屋からお兄ちゃんの声が聞こえてきた。

……またか…。
そう思い反射的に眉間に皺が寄る。


あの日を境にお兄ちゃんの行動はどんどんエスカレートしていった。

学校から帰ってきたとき、お風呂に入ってるとき、寝る前……
色んなところで私はお兄ちゃんの玩具にされた。

今回もどうせ『登校前に一発』とかアホなことを言ってくるんだろう。

…でも、逆らうことはできない。

小さくため息をついて私はお兄ちゃんの部屋に向かった。


──ガチャッ

「おぉ、今日も制服が素晴らしくキマってますねー」

「…なんの用?」

「ん?何でそんなに不機嫌そうなの?」

ベッドに座ってるお兄ちゃんはコイコイと私に手招きする。

「…いつもみたいにまた変なことするんでしょっ」

「変なことねぇ…。奈津ちゃんは一体どんなことを想像してるのかな?」

「……っ」

お兄ちゃんは私を見上げてイヤミったらしく笑う。

「…ま、正解なんだけどね」

「きゃっ!?」

突然腕を掴まれ引き寄せられて、バランスを崩した私はお兄ちゃんにもたれかかった。

「…何で奈津ってこんな甘い匂いするんだろ。不思議」

「そんなの、知らな…っあ!」

首筋に唇を這わせながらお兄ちゃんは私の胸を撫でる。

制服の上からのもどかしい感触と首のくすぐったさに、気持ちに反して身体は瞬く間に熱く焦がれてしまう。

「もう息荒くなってる」

「な…っ、なってないっ」

とっさに手で口を押えると、お兄ちゃんはクスクスと笑い声を漏らした。

…手のひらの上で転がされている感じがしてものすごく悔しい。

けれど、そう憎らしく思いながらも胸の奥は更なる快感を欲して甘く震えていた。

「前よりだいぶ敏感になってるよね、奈津の体」

「ひぁっ…!」

首筋をそろりと舐め上げられ、細やかな疼きが一気に湧き立つ。

何度も身震いを繰り返す私を抱きかかえながらお兄ちゃんは片手で器用に制服のボタンを外していく。

それを遮ろうという反抗心はもう麻痺してしまっていた。

ブラウスがはだけてブラのホックを呆気なく外されて、期待に高鳴る胸が露わになる。

二つの丘の先端は欲情を見せつけるかのように固く起き上っていた。

「あら、随分興奮してらっしゃるようで?」

「うるさい…っあ!」

指の腹でそこをきゅっと軽く摘ままれて、跳ね上がる快感に思わず声が漏れ出す。

お兄ちゃんの指の動きに合わせてピリピリと全身に流れていく甘い痺れ。

恥ずかしい、悔しい、気持ちいい…。複雑に混じり合う感情が痺れに惑わされて次第に白く溶けていく。

残されたのは、“もっと欲しい”という淫らな欲望だけ。

「ん…っ!」

お兄ちゃんの顔が胸の先に降りていくだけで触れられてもいないのにビクリと身体が大げさに強張った。

「身構えすぎ」

「や…っ、ぁ、あっ!」

笑いながらお兄ちゃんは突起を唇で柔らかく挟んで舌を這わせる。

熱く艶めかしい感触に包まれてたちまち胸の奥が快感にわなないた。

「ふあっ!あ、んん…っ!」

ますます疼きを高めていく実を吸われ、舌先で細かく転がされながら時折軽く歯を立てられて、絶え間なく続く悦楽の波に理性が完全に掻き消されていく。

…気持ちいい…、もっと…、胸だけじゃ物足りないよ…っ

いつしかそんな卑猥な欲望を灯しながら私は無意識にお兄ちゃんを抱き締めて甘い刺激に酔い浸っていた。


「……はいっ、ここまで」

「…ふ、ぇ…っ?」

淫らな空気をばっさりと断ち切る声と共に、体に流れる刺激が突然止まって私はわけがわからずポカンとお兄ちゃんを見つめた。

「もうこれでおしまい」

「えっ!? なんで…っ」

「だってそろそろ家出ないと遅刻するだろ?」

「…でも…」

「まあまあ、そんなもの欲しそうな顔しないで。学校行ってる間体が寂しくならないようにイイことしてあげるから」

「…いいことっ?」

「じゃーん。これはなんでしょう?」

そう言ってお兄ちゃんはタコ糸を私の目の前につきつけた。

「へ…? 糸…っ?」

「そ。これを奈津ちゃんの敏感な乳首に巻き付けまーす」

「……はっ?! ちょっ、やだ!」

とんでもない提案にぼんやりしていた頭が一気に覚めて慌てて逃げ出そうとしたけれど、がっしりと体を抱き寄せられてしまった。

「抵抗しちゃダーメ」

「…っ、これがやりたくてわざと胸ばっかり弄ってたんでしょ!?」

「その通り。でも糸付けただけで十分興奮しそうだから弄る必要はなかったねぇ。 奈津がこんなにも敏感で淫乱な身体になってくれてお兄ちゃんは感激だよっ」

「興奮なんかするか馬鹿! 敏感でも淫乱でもないっ!」

「はいはい、暴れない暴れない」

「ぅあっ!!」

乳首をきつく摘みながらお兄ちゃんは私の耳元で「ちゃんと言う事聞けるよね?」と囁く。

…その一言で私は何もできなくなってしまう。

私が大人しくなると、お兄ちゃんは楽しそうに笑いながら糸を胸の先に添えた。

「…っ…、ん…!」

クルクルと糸が巻かれて充血した乳首が更に圧迫されていく。

手早く結んで糸の先端を切って、お兄ちゃんはもう片方も同じように糸を巻き付けていく。

指でつままれたときに似た感覚が、弄られて過敏になった両端をジワジワと責め始める。

さっきまでの行為がよみがえってまたおかしな気持ちになっていく自分が嫌になった。

理性を奮い立たせるためにお兄ちゃんに気付かれないよう唇の内側をギュッと強く噛み締める。

「はーい、次はブラ脱いで〜」

「…くっ…」

されるがままブラを外されて、何も付けていない状態で制服を着させられる。

そんな恰好で立ち上がると当然ブラウスと胸の先が擦れて弱い快楽が走った。

「どう? 興奮する?」

口を開くとよからぬ吐息が漏れてしまいそうで、ニコニコと微笑むお兄ちゃんを無言で睨みつけることしかできなかった。

縛られた乳首は時間が経てば経つほど痺れを増して存在感を強くしていく。

玄関に着いた頃には一歩進むどころか、呼吸で胸を上下させるだけでも刺激を感じてしまうまでになっていた。


「じゃあねー行ってらっしゃーい」

…ちんこ爆発して死ね!

呑気に手を振るお兄ちゃんに頭の中でそう吐き捨てて私は乱暴に玄関のドアを閉めた。


・ ・ ・ ・ ・


「奈津、大丈夫? 顔赤いよ?」

「んぇっ?」

友達が心配そうに私の顔を覗き込む。

私は乱れている呼吸を抑えて、「大丈夫」と平然を装った。

「本当? 無理しない方がいいよ、次体育だし…」

「うそっ、体育っ!?」

驚きのあまり私は教室に響き渡るような大声を上げた。

…そうだ、今日は体育があるんだった…っ。

「うん…やっぱり保健室行ってくるわ…」

何も知らない優しい友達に力無く笑いかけて私はとぼとぼと教室を出た。

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