▼ 第2話‐02
「もしかしてさ」
何も言えずにうつむいて押し黙っていると、皮肉な笑みを浮かべながら彼が一歩一歩私のもとへと歩み寄ってきた。
「お前も今まで虐待受けてたとか?」
「…は…っ?」
「今の方が父親と2人っきりで暮らしてた頃よりマシだから何も言い出さないんじゃねーの?」
「違うっ…! アンタの母親と一緒にしないでよ!」
「じゃあ何なんだよ!」
「きゃッ…!!」
乱暴に右腕を掴まれて、私は反射的に身を縮こまらせた。
捕らわれた腕はなぜか頭上へと高く上げられて、指の先に何か冷たくて固い物がコツンと当たった。
「ちょうどいい位置に突っ立っててくれたな」
「なっ何!? やっ…!」
──ガシャン
頭の上で響いた冷たい金属音。
「……っ!?」
見上げた先にあったのは、壁に強引に埋め込まれたフックと、そこから垂れ下がっている銀色の手錠。
そしてそれに繋がれた私の手首だった。
「…な、にこれ…っ!?」
ここ学校でしょ…っ!?
なんでこんな物が…っ
混乱しきって固まっていると今度は左腕を掴まれ、私はハッと我に返った。
「やっ…いやああっ!!」
力いっぱい腕を振り乱して抵抗したけれど、力で無理やりねじ伏せられて左手も頭上にある手錠に繋ぎとめられてしまった。
安易な作りでできているのに、どんなに力を込めても手錠はビクともしない。
めまいがする程の恐怖と絶望感が溢れて心臓が震え上がる。
「…何するつもりなの…っ?」
必死に声を絞り出して、非力に彼を睨み付けると、彼はクスリと笑って望遠鏡のそばにある机に向かっていった。
「天文部なんて地味な部活のわりに部員がやけに多い理由知ってる?」
「…っ…知らない…」
「この部室が絶好のヤリ場だからだよ」
そう言いながら彼は机の中から大きめの巾着袋を取り出した。
袋にはいかにも女の子が書いたような字体で『ご自由にお使い下さい』と書いてある。
彼はその袋の紐をほどいて中身を床にぶちまけた。
──ガシャッ!ガチャガチャッ
次から次へと出てくるのはピンクだの黄緑だの、目に痛い色彩の妙な道具ばかり。
怪訝にその道具の山を見つめていると、彼はその中の一つを手にとって私に向けた。
「いくら無知でも形でどんな物か想像つくだろ?」
細長い道具は表面が樹脂でできているのかツヤツヤしていて、全体には不自然なくらい凹凸ができている。
そして何より、その形状は男性器にそっくりだ。
「ぃ…や…っ」
何の目的で使われるものか理解した私はそれを凝視したまま弱々しく首を横に振る。
そんな私の様子を心底楽しんでいるように冷酷な笑みを湛えながら彼はそれを床に放って、今度は小さな卵型のものを手にした。
「でも今回はこれだけにしといてやるよ」
派手なピンク色をした卵は親指くらいの大きさで、一本だけ細く伸びているコードの先にはダイヤルの付いたスイッチらしきものが付いている。
さっきのあからさまな道具とは違ってこれはどういうものなのか想像しにくい。
自由を奪われた上に不可解な機械を目の前に突きつけられて、私の胸の内ではただただ不安感だけが膨れ上がる。
「そんな怖がんなって。…まあ、すぐに死ぬほど感じてイきまくるんだろーけど」
「ひっ…!」
スカートとブラウスの隙間にスイッチを差し込まれて、卵型のものが下半身へと伸ばされていく。
「脚開け」
「やっ! やだ…っ!」
彼の足が閉ざした脚の間に割入って強引に股を開かされる。
秘部に固い感触が伝わって、私はピクリと微かに身を震わせた。
「何…っ…や…ぁっ」
ダイヤルをつまむ彼の手。
その手が、ゆっくりとひねられていく。
──ヴヴゥゥーーーッ
「ヒッ!!ぁ、あ…あ…っ!ふ…っううぅ…!」
押し当てられたものが突如低い唸りを上げて震えだし、小刻みな振動が下着越しに秘裂に痺れ渡った。
「ぁッあ…!嫌…っあぁ!」
グリグリと無遠慮に割れ目の奥へと沈んだ淫具があの恐ろしく敏感な箇所を捉える。
布一枚隔てているにも関わらず微震は惜しみなく淫核へ伝わり、強制的な快感が一気に湧き起こった。
「もう濡れてきてんじゃん。クリ弄られんの大好きだもんなぁ? もっと強くしてやろーか?」
「いやっ…! いやぁあ…っ!」
「そんなエロい顔でよく嫌なんて言えるな。このままでもイけるんじゃねーの?」
「ぅあうっ!あッああぁ…!」
ググッと押し潰された淫核に、より鮮明になった振動が襲いかかる。
機械的な刺激は着実に私の中の欲情を目覚めさせ悦楽を膨れ上がらせていく。
彼の言うとおり、限界がもうすぐそばに近づいていた。
絶え間なく流れる熱い痺れに腰元がゾクゾクと疼いて呼吸がどんどんせわしなくなっていく。
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