ハーブティ


「適当にそこらへんに座って待っていてくれ」
 部活終了後僕は乾のうちに寄らせてもらった。
 散らかった乾の部屋にはところどころ丸秘と書いたノートが散乱している。
 ちょっと気になって僕はそこに転がっている一冊を拾ってあけてみた。

『Vol2 不二周助』

 僕のデータノートらしい。
 いつもデータがとれないとぼやいているくせに僕のノートはあるんだね。
 どんなことが書いてあるのかと読み始めたとき「不二、お茶が入ったぞ」と乾が戻ってきた。
 僕はあわてて、ノートを後ろに隠したけれど、乾はそれに気がついたらしい。
 もっていたお茶をそのへんにおいて、「なにやってたのかな?」と眼鏡を光らせて僕に近づいてきた。
 僕は悟られるまいと「なんのことかな?」とにっこり笑った。
 乾はそれにダマされたのか、
「そうか・・・」
 と僕のとなりに座る。
「不二は、ハーブティが好きだったよな」
 と持ってきたお茶をとろうと手を伸ばした。
「うん、好きだよ」
 その隙に手に持っていたノートをどこかに隠そうとしたけれど、気づかれてその手を拘束されてしまった。
 不二、その手に持っているものはなにかな?」
「さあね」
 再びにこっと笑って乾を見上げる。

「まったく油断もすきもないな」
 乾はため息をひとつついた。

 乾は僕に甘い。

 だからこの程度のことで怒ったりしない。

「いたずらする子にはお仕置きが必要だな」

 え?
 予想外の展開に僕は思わず目を開けてしまった。
「さて、どうしようか・・・」
 そういうといきなり僕を自分のひざの上に向かい合わせに僕を座らせた。
 そして、体を揺らしてくる。
 乾のひざの上は好き。

 揺すられるの気持ちいいから、目を瞑った。

 相変わらず片手は固定されたままだけど…。

「ぴゃっ!」

 驚いた。乾がいきなりYシャツの下から手を突っ込んで、僕の体のアチコチをなでまわしている。
「なにしてんだよ!」
 睨みつけてやる。
 油断した。つい、油断してしまった。
「言ったでしょ? 好きにするって」
 そういって、胸の突起をキュっとつまんだ。
「やっ………」
 思わずのけぞる。
「ずっと聴きたかったよ。その声」
 耳噛みながら言わないで…。
「やめ………っ…んっ」
 かわいいねってとりあってくれない。

 こんなの、やだ…。
 思ってるのに、頭では思ってるのに…僕の
 …僕の躯は待ち望んでいた、乾の手の感触に、もう悦んでしまっている。
 首筋をなめ上げられて、
「ぁっ…んっ…」
 声が漏れてしまう。
「不二、気持ちよさそうだね」
 って言われたときにはもう、乾の僕への拘束は解かれていたけど・・・
 もう、抵抗するなんて頭どこにも残っていなかった。
「不二の感じてる顔、やっぱ最高だね」
 っていいながら、僕のYシャツのボタンを全部はずしてても、手を休めないで、もっと触ってってねだってしまってたくらいだ////
 じわじわと、僕を追い詰める乾の手に翻弄されながら、僕は、いつものように、 一度イかされて 頭の中が真っ白になり・・・

 いつのまにか、僕は身にまとっていた ものをすべて脱がされてて・・・

「不二、俺のいれていい?」
 っていわれたときには
「はやく・・・ほし・・・」
 とかいってた気がするし・・・。

 だから・・・・。

 今、この状況・・・。


「不二かわいかったよ?」
 っていわれながら、僕の中に、乾がまだ入っているし・・・。
 なんか、納得いかないし・・・。早くでてけ!って言ってやろうかと思ったけどよしよしって頭なでられる手が好き。だからしばらくこのままで、いよう・・・。
 文句は、もうちょっと、このまま、甘やかしてもらってから、言うことにする・・・。
 そして新しくハーブティを入れ直してもらうことにする。


 END


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