白石蔵ノ介小話２
(ちょっと変態な蔵りんとの日常)
『あんな、お願いあんねんけど』
「やだ無理」
『まだ何も言うてへんやん！』
「どうせろくな事じゃないし」
『そんなん分からへんやん…俺はお前が好きやから、真面目に言うてんねんで』
「(きゅん！)……ま、まぁ聞くだけなら聞いてみてもいいよ」
『ホンマに？せやったら手繋いでええ？』
「駄目」
『ぎゅうってしてもええ？』
「駄目」
『ちゅーしてもええ？』
「駄目」
『押し倒してもええ？』
「絶対駄目！！」
『せやったらセッ「それ以上喋ったらぶん殴る！！」』
『ケチ』
「ケチじゃない！初めっから駄目って言ってんのに何でどんどん酷くなってくの！？」
『え？生温い事より過激な事しか受け入れへんタイプか思て』
「…今までアタシの何見てきたのよ…」
『何、って…着替えしてるとことか風呂入ってるとことか寝てるとことか。めっちゃ可愛えで！！』
「最早人としてどうかしてるよね」
(蔵りんのお願い)
『…………』
「……な、なんなの、じーっと見てきて…」
『んー、可愛えなぁ思て』
「(嬉しいけどすっごく嫌な予感がするんだけど)」
『…その可愛え顔で啼かれたらホンマ適わへんな』
「ちょっとちょっとアンタ何言ってんの！？超気持ち悪いんだけど！」
『ああ…その顔や、その顔で…！アカンわ、そない俺の事攻められたら俺保たへんわ！』
「攻めるって何！？本当嫌だ！勝手に妄想して鼻息荒くしないでよ！あっち行って近寄らないでこっち見ないで！」
『抵抗されると燃えてくるわ…！』
「はぁ！？やだやだついていけない！蔵の変態ピンク妄想なんて聞きたくない！」
『変態…？聞き捨てならへんな』
「や、普通にド変態じゃん」
『ちゃうわ！！“エロの境地”や言うねん！』
「は…？(また意味分かんない事言い出したよこの人)」
『エロの境地、それは限界を超えた者だけが辿り着けるという…すなわち限界を超えた極限のエロや！！』
「…頭打ってそのまま逝っちゃえばいいよ」
(エロの境地)
『なぁ、好きって１０回言うて』
「あー、そんなゲーム流行ったね昔」
『早よ言うて』
「好き好き好き………はい、言ったよ」
『エクスタシーって１０回言うて』
「エクスタシーエクスタシー……」
『ん、おおきに』
「え、問題は？」
『いや、コレお前の指定着信音にしよ思って録音しててん』
「は、」
『それにそない好きとかエクスタシーや言われたら今夜のオカ「携帯ぶっ壊すよ」』
(めっちゃ好き！)
危ない！っていう声と、バシャーッ、っていう音が同時に聞こえてアタシは怪訝な顔で蔵ノ介を見た
「アンタねぇ…」
『堪忍！手元狂ってしもた。コーヒーかかったやろ？』
「いや、ギリギリセーフ」
『アカン、絶対制服にかかってしもたって！シミになるで、早脱いで！俺が洗ってやるからはよー！』
「ちょっ、や、止めて！何処触ってんの！」
『俺のせいでごめんな、丹精込めて洗うから！早脱いで脱いで脱いで』
「……アンタわざとぶっかけたでしょ」
『まさかー！幾らお前の裸見たいとかお前の制服欲しいとか思ててもそないなわけあるか』
「お願い、１回死んで」
(企みくらら)
「はー、オサムちゃん格好良いなぁ」
『は？あれの何処がええねん。ただの変態親父やん』
「(変態はアンタだろ)だって渋いじゃーんダンディー！」
『俺のが渋いわ』
「何処が」
『包帯とか顔とか』
「………(自分で言っちゃったよこの人)包帯は渋くないよ…」
『それにやな、お前が好きやって気持ちは誰にも負けへんねん。好きや好きやめっちゃ好きや！』
「蔵ノ介……」
『お前の色気ないキティちゃんパンツやって受けとめたるから！さぁ！俺の胸に飛び込んで！さぁさぁさぁ！』
「ふざけんな！いつの間にアタシのパンツ見たのよ！」
『さっきチラッとスカートめくってしもた』
「アンタの何処がダンディーなの！オサムちゃん助けてー！」
『ちなみに俺はセクシーなパンツが好きや』
「アンタの好みは聞いてないから！」
(セクシー大好き！)
『なぁ、卵焼きちょうだい？』
「え、嫌だ！…って、返事する前に食べてるじゃない最低」
『あーめっちゃ美味いわー！だし巻きとか塩もイケるけど砂糖入りが甘くてええなぁ』
「アタシの卵焼き…」
『大丈夫や、お前はいつでも嫁に行ける。せやから俺んとこ嫁に来い』
「は？」
『卵焼きが美味く作れる奴は料理上手って相場が決まってんねん。せやから俺がお前貰っちゃる！寧ろ俺を貰て！』
「悪いけどそれアタシが作った卵焼きじゃないし」
『え？』
「今日は小春とお弁当交換したの。アタシ達料理修行してるから」
『嘘やん』
「だから蔵は小春の旦那になればいいと思う」
『……………』
「アタシが作ったモノが分からないような人と結婚したくないし。アタシ、どっちかってゆうと光君のがいいし」
『……(アカン泣きそうや)』
(卵焼き)
『お前シャンプー変えた？』
「あれ、よく分かったね」
『匂いちゃうもん。今回はなんや色気ある匂いやな』
「喜んでいいのか分かんないんだけど」
『喜んだらええ』
「そらどーも。それにしてもシャンプー変わったの気付くのとか蔵ノ介くらいだよ」
『愛する女の些細な変化読み取れんとか男やないで』
「(なんか胸きゅん)」
『お前の事なら何でも分かる、昨日学校終わった後コンビニでハーゲンダッツのミルフィーユ買って頬張りながら帰って、体重計乗ったら５００グラム痩せててアタシ出来る女やって叫んでから風呂入ってレンタルしてたアニメ５本夜中まで見てたやろ』
「モシモシ警察ですか？変質者とゆう名のストーカーが居るんですけど」
(ストーカー)
『甘いわ』
「いきなり何？」
掃除の時間、ホウキの先端に顎を置いて真剣な顔で蔵ノ介は言った
『もう少し、やねん』
「だから何が」
『お前は分かってへん』
「もういいから早く掃除してよ」
『はー、良くない、全然良くないわ』
「はいはい、塵取り持って」
『人の話聞かんかい』
「(ウザイな)…なんなの一体」
『お前は制服っちゅーもんを分かってない。そないな中途半端な長さにしてからに。スカートは膝上２５センチって決まってんねん！普通に立ってる時に見える綺麗な足、少しかがんだら見えそうで見えんチラリズムが男心を掻き立てやな、妄想膨らますんやん！走った時のヒラヒラ揺れるプリーツがまた淡い青春の１ページを彩って学園生活を盛り上げてくれるんや。お前の生足がたまらん、俺にお前の全てを捧げろ！そう思う純な男の気持ちを踏み躙ったらアカンで！』
「アンタがスカート履けばいいよ」
(制服万歳！)
