Sincere love | ナノ


 

 story7.
  True rival in love (1/2)




きっと後悔はしない

君を愛したこと
それが僕の運命ならば君に何もかもぶちまける覚悟を





story7.
True rival in love





『蔵、ご飯出来たよー』

「うわ、めっちゃ美味しそうやん」



OB会も終わって、なんやかんや一悶着はあったけど今も普通に、寧ろ前より俺と名前ちゃんは仲良くなった。

今日は1日バイトも授業も無かったから、名前ちゃんが俺の家に来てご飯作ってくれるとのこと。

名前ちゃんの手料理やなんてごっつ楽しみやって。
テーブルに並べられたパスタ、マリネ、めっちゃ食欲をそそられた。



「食べてええ?」

『どうぞ』

「……あー美味いわぁ!」

『本当に?』

「善い嫁さんになるなぁ」

『良かったー!ちょっと心配してたの』

「俺の未来の嫁さんは完璧やんな?」



何時ものごとく真っ赤になって。
この顔、癖になってるわ。

照れた顔見るたび幸せやんなって思う。(笑顔も全部やけど)



『そ、そうそう、デザートに昨日作っておいたチーズケーキがありまーす』

「ホンマ?めっちゃ嬉しいわ」

『えへへ』



はにかみながら台所でチーズケーキを切る名前ちゃんはなんて可愛いんやろか。

結婚したら毎日がこんな感じなんやろな…

“おかえりなさい!ご飯出来てるよ”

……ヤバイ。めっさええ。
って、アカン、また俺はトリップしとるわ。



『はい、どうぞ』

「おおきにー《ピンポーン》」



チャイム?
誰やねん。俺と名前ちゃんの結婚生活を邪魔するんわ。

大方宅急便かなんかやろう、そう思て椅子から立ち上がった瞬間。



『めっちゃ美味そうやん。俺も貰うわ』

『光!?』

『美味い美味い。名前意外と料理出来んねんな』

「何をお前偉そうに言うてんねん!っちゅーか俺の分やそれ!」

『次はシュークリーム作ってな』

「やかましいわ!ってかお前どうやって入ってきたんや!不法侵入やねん!」

『謙也先輩にオートロックの番号教えてもろたんですわ。不法侵入とか物騒な。ちゃんとチャイム鳴らしたやないですか』



謙也アイツ使えへん…!!



『光、どしたの急に…』

『別に。前通ったからついでに』



ならとっとと帰れ。
ついでなんか要らへん!



『名前、昨日の約束覚えてる?』

『昨日?……あ、アレ今日は持ってないよ』

「ちょお待て。アレってなんやねん」

『CD。アタシが持ってる限定版だったやつ、光が探してたって言うから貸してあげる話になってて』



なんやCDか……
ってそないな問題ちゃうねん!
何仲良くやってるんかっちゅー話や!
まさかメル友?コイツ等メル友!?

アカンわ、俺キャラ崩れてきよる…このスケコマシ財前のせいで……!



『じゃあアタシ、取りに行ってくるよ』

『別にええよ、いつでも』

「せや。財前の為になんかわざわざ行くことないで名前ちゃん」

『ううん、ちょっと忘れ物もあったから。じゃあ行ってくるね』



どんだけ優しいねん名前ちゃん……

それに引き替え。



「財前」

『部長顔が可笑しな事なってますよ』

「誰のせいやと思てんねん」

『さぁ』



あー!ホンマ憎たらしい!
丸々1日遊べる日なんか滅多にないっちゅーのにそないな日に何でお前の顔見なアカンねん!
どう考えてもおかしい、おかしすぎるわ!



『全部聞こえてますけど』

「ハッ、言う手間が省けたわ」

『昔の部長は優しかってんけどなー』

「キショい事吐かすな。お前に優しした覚えなんかないねん」



名前ちゃんが出ていって、さっきまで座ってた椅子に財前が座る。

違う。
華がなさすぎる。そこはお前の席やないねん。



「なぁ財前、」

『何ですか?』

「チーズケーキ食べるん止めんかい!」

『チッ』



コイツ舌打ちしよった。



「それよりな、お前告白せえへんの?」

『は?何ですかそれ。告白してええん?』

「さっさと告白して振られろ」

『…………』



“蔵以外考えれない”
とか言われてさっさと振られたらええねん!



『心配しやんでも、まだする気ないですから』

「ホンマウザイな」

『どーも』

「褒めてへん!」



コイツと話よったら頭痛くなるわ…

名前ちゃんはよ帰ってきてー!



『……部長、電話鳴ってますよ』

「え、ホンマや……って名前ちゃんやん!」



レインボーに光るイルミネーションが名前ちゃんからの着信を知らせてた。

すぐ気付かへんでごめんな!

急いで通話ボタンを押した。



「もしもし、名前ちゃん?」

《っっ、蔵!?どうしよう!》

「え?何、どないしたん?」



電話の向こうで慌ててる様子で。
ものっすごい嫌な予感がした。

嫌な予感はもうこりごりやねんで!



《う、うう後ろに、誰か、誰か、》

「名前ちゃん!?今何処や!?」

『どないしたんスか?』

《アタシの家から中央通りに抜ける道……って、ギャー!!》

「名前ちゃん!!」



悲鳴と同時にツーツーと切れた電話。
な、なに?なんや?
こうしてられへんわ!



「財前行くで!」

『せやから何が』

「名前ちゃんが変態につけられてるんや!」

『!!』



ああ、無事で居てや。
やっぱり財前と関わるとええ事ないわ……

名前ちゃんに何かあったら俺はどないして生きていけばええねん……!



「中央通りに抜ける道って、この辺やんな……ハァハァ」

『めっさ人通りない道やん…』



全力疾走な俺は息苦しいし、しんどいけど、そないな事はどうでもええ。

名前ちゃん、無事でおって。それだけや。



『部長!あれ!』

「!」



交差点から見える後ろ姿。
間違いない、あれは名前ちゃんや……!



「名前ちゃん!!」

『あ!蔵、光!』

「この変態……っっ!」



名前ちゃんの傍におった長身の男。お前か、俺の大事な女に手出そうとしたんは……!

名前ちゃんを怖い目にあわせよってからに…渾身の力を込めて殴り掛かった。



『ちょっと待って蔵!!』

「え?」

『ブッ!』



時すでに遅し。

制止の声も虚しく、変態は倒れこんでしもた。

ちゅうか財前、お前何名前ちゃんの肩に手回してんねん!お前も殴るぞ!



『だ、大丈夫!?』

『痛いわ…えらい酷い扱いやなぁ』

「は?その声…」



心配そうに駆け寄る名前ちゃん。
聞き覚えのあるような声。



『アンタまさか…』

「、財前?」



財前の顔がめっちゃ歪んだ。
え、誰なんこの男。



『まいど。忍足侑士です』

「忍足!?何でお前、」

『ごめんね、蔵、光、侑士君…』



意味、分からへん……





…1/2 page
prevnext



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -