×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


▼拍手文3 夏未総受け


気持ちの良い朝である

半田は口笛を吹きながら学校への道をゆく
ふと、何かを思い立って携帯で時刻を確認し「やべ!」と独り言を呟いた
其処へ

(風)「おはよう半田」
(半)「風丸」

きらりと白い歯を見せながら挨拶をしてくる風丸をやり過ごそうと、半田は「おはよ」と短く挨拶を返す
しかし

(風)「今日は少し遅いんじゃないのか?」

フッと笑う風丸

(半)「そんな事ねーよ」
(風)「俺は、いざとなったら走るからいいんだけどさ」

そう言いながら風丸はスタスタと先を急ぐ

(半)「畜生風丸のヤツ、さすがに早いな…」

半田はそう言いながら風丸の歩くスピードに付いて行こうと自らの歩くスピードを上げる
スタスタと2人が連なって歩いてく姿はまるで競歩の様だ

(風)「今日こそは俺だ」
(半)「昨日は鬼道にやられた」
(風)「その前は円堂だ」
(半)「更にその前は豪炎寺」
(風)「俺だってそろそろ」
(半)「それは俺もだ」
(虎)「おっはよーございまーす!!!」

虎丸が2人を走って追い越して行く

(半)「おい!先を越されるぞ!」

半田が慌てる横で、風丸はフンと鼻を鳴らして笑いながら呟いた

(風)「俺が、このまま虎丸を行かせる訳」

スッと笑みが消えた風丸におののいた半田は思わず立ち止まった

(風)「無いだろ――――っ」

と叫びながらあっと言う間に半田の前から姿を消した

(半)「ち、畜生おおお!」





怒涛の勢いで風丸は虎丸に追いつき、並んだ

(虎)「か!風丸さん!!」
(風)「この俺に勝とうなんて10年早いッ!!」
(虎)「く、くそ〜〜っ!」

虎丸を追い越して道の分岐点に差し掛かった時、向こうから「あッ」と短く叫ぶ声がする

(円)「風丸!」
(風)「悪いな円堂!今日は俺の番だ!!」
(豪)「そうは行くか風丸!!」

後ろに迫っているのは豪炎寺

(豪)「油断は出来ない、昨日は校門で鬼道に抜かれたからな!」

風丸、豪炎寺、円堂は抜きつ抜かれつつ走り続ける
校門が見えて来て、3人に緊張が走る
向こうから見えるのは鬼道だ

(円)「あッ鬼道だ!」
(風)「しかし…おかしいぞ」
(豪)「そろそろ時間の筈だが…」

3人はスピードを緩めるがとうとう校門に到着してしまう
そして鬼道と合流

「……………」

4人は顔を見合わせて、無言になった

(虎)「あれ?今日は…どうやらタイミングが合わなかったみたい…ですね…」

合流した虎丸はしょぼーんとして、ハハハと笑う
校門から学校の敷地内に入った5人はがっかりした顔でとぼとぼと歩いていく

しかし次の瞬間、車が停止した音がしたので、4人は勢い良く振り返った…

すると其処には、夏未が清々しい顔つきで車から降りてドアを閉める所だった
ドアを閉めると車は走り去り、夏未がそれを見送っている

其処へ…

ぜはーぜはー…と荒い呼吸で息も絶え絶えに半田が校門へと手を掛けて寄りかかった

(夏)「半田君?」
(半)「……?」
(夏)「大丈夫?」
(半)「……あ…ら、雷門!!」
(夏)「走って来たの?凄い汗ね」
(半)「ま、まあ……(この為に走って来たんだけどさ)」

俄に顔を赤くして、半田はごにょごにょと何か呟くがそれは夏未には聞こえていない
夏未が歩きだしたので、半田も隣に並んで歩いていく

「お、おはよう、雷門」
「おはよう半田君」

それを歩きながら、羨ましそうに、ちらちらと後ろを振り返る円堂、風丸、豪炎寺、鬼道、虎丸の5人

(風)「明日こそは俺が雷門に一番に挨拶する」
(円)「俺も頑張る!」
(豪)「そうはさせんぞ」
(鬼)「望むところだ」
(虎)「俺も負けませんよ〜」








[拍手文/本棚/TOP]