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「#寸止め」のBL小説を読む
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▼鬼夏+豪秋2


(秋)「あっ、いたいた!夏未さんこっち!!」

秋が夏未を連れて歩いて来る

(鬼)「…どうかしたのか」
(夏)「どうかしたのかじゃないわ…出て行ったきりそのまま戻って来ないんだもの」
(秋)「練習始まるわよ」
(豪)「すまない」
(鬼)「雷門お前…」
(夏)「何かしら」

真っ直ぐ自分を見詰める夏未の瞳に、鬼道は言葉を詰まらせる

それを見た豪炎寺が何とかしようと口を開く

(豪)「その、…部活動紹介の事だが…」
(秋)「なあに?」

豪炎寺は、可愛らしく返事を返す秋に一瞬我を忘れた

(秋・夏・鬼)「!!!」

秋を抱き締める豪炎寺に言葉を無くし、鬼道はさっ、と夏未を見た

夏未も鬼道を見る
そして後退りした

(豪)「可愛い…木野はやっぱり可愛い」
(秋)「ちょ、ね、あの、っ」
(豪)「嫌だ…」

すりすりと秋の髪に頬擦りする豪炎寺は、はっと何かに気付く

(豪)「わ、分かったぞ鬼道!」
(鬼)「な、何だ!」

鬼道は豪炎寺にあてられて、夏未を抱き締めたくてウズウズしていた

(豪)「隠せばいいんだ!」
(鬼)「なにっ!」
(豪)「当日木野をどこかに隠してしまえば誰の目にもふれる事は無いぞ!」
(鬼)「そ、そうか!」
(夏)「な、何の話?」

鬼道は不思議そうな表情の夏未をついに抱き締めて言った

(鬼)「お前を新入生の前にさらす訳にはいかないのだ…」
(夏)「何を訳の分からない事を…はな、離しなさい!」
(鬼)「……そうだ…!逃げよう雷門!俺と!その方が確実だ!」
(豪)「逃げる、か!」
(秋)「ちょ、ちょっと豪炎寺君、話が」
(豪)「木野、俺と逃げてくれ!一緒にどこか遠くに!」
(秋)「???」

豪炎寺の真剣な表情に秋は頬を染めながら夏未を見る
と、夏未は鬼道から逃れようと抵抗を試み、鬼道と格闘中だった

(鬼)「嫌なのか?雷門!」
(夏)「ちょっと…とにかく…落ち着いて…おかしいわよ貴方!」
(鬼)「俺は正常だ」
(夏)「異常よ!何かおかしいわ!」


(豪)「嫌か?」
(秋)「い、嫌じゃ…でも待って何か勘違いしてな「じゃあ早速今から行こう!」
(夏)「ちょっと豪炎寺君落ち着きなさい!」

其処には鬼道のゴーグルを鷲掴みにしている夏未が、鬼道を連れて近寄って来る所だった

(鬼)「……」
(夏)「貴方達本当にどうしたの?鬼道君はともかく豪炎寺君まで…」
(鬼)「どういう意味だ…」
(夏)「黙りなさい」

一瞬豪炎寺の力が緩み、秋はその隙に豪炎寺から逃れた

(秋)「し、新入生って言ってたけど…部活動紹介の事?」
(鬼・豪)「……」
(秋)「それなら円堂君と鬼道君と豪炎寺君と、夏未さんと私が…」
(鬼)「な、何っ!」
(豪)「ほ、本当か!」

夏未と秋が頷くと、鬼道と豪炎寺はホッと息をついた

(夏)「……一体どうしたって言うの?」

掴んでいたゴーグルを離し、鬼道に問いかける夏未

(鬼)「すまない…少し、まあ、取り乱したのだ」
(夏)「少しどころじゃないわよ?」
(豪)「新入生の男子達の前に…木野達を、その…出したくなかったんだ…」

ぽつりと呟いた豪炎寺の言葉に、秋と夏未は顔を見合わせて赤くなった

(秋)「豪炎寺、君…」
(豪)「だから俺は、本気で…」
(鬼)「俺だって本気で…」

ゴーグルの位置を直しながら、鬼道も呟いた

(夏)「……き、鬼道君…」

逃げようと思った、と言う2人の言葉に、夏未と秋は益々顔を赤くしてしまうのだった




そして――…

部活動紹介の壇に立った円堂は声を張り上げた

(円)「えっと…細かい事は抜きにして、…皆!サッカーやろうぜ!」


その円堂に代わり夏未と秋がサッカー部の紹介を始め、その傍には…秋と夏未を守るように、豪炎寺と鬼道が満足そうに控えているのだった




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10000番キリリクして下さった
赤神ジョニー様へ


ご本人様のみフリーです!


20110501
tayutau taira





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