▽会話文とか小話とか2
鬼夏短編の「仕返し」の続き
「雷門」
「何かしら」
鬼道は少し立ち上がると周りを見回し、自分達以外には誰も起きていない事を確認する
そして再び座り直すと、いきなり夏未の肩を抱いて引き寄せた
「!!」
ゴーグルを額の上部にずらして、じっと夏未を見詰めるが、余裕の表情で夏未は呟いた
「……どうせ出来ない癖に」
強気な視線を鬼道に叩き付ける夏未に、今度は鬼道が挑戦的な瞳を向けた
「見くびって貰っては困る」
「!!!」
「今の言い様だと、いちいち許可を取らなくても、良いようだな?」
「え・そっ…」
「覚悟は出来ているな」
「!!!!!」
躊躇いの欠片も無く、鬼道は夏未に顔を近づける
夏未は身動き出来ずただ…
「んあ〜みんなあさっかーやろうぜえい!!」
キャラバン内に円堂の寝言が響き渡ったのは、まさに2人の唇が触れる瞬間
「んだよ…寝言でかすぎ」
「勘弁してくれ…」
周りから聞こえて来た不満の声に、まさに寸止め状態の鬼道は無言で夏未から離れ、夏未も慌てて鬼道とは反対を向いた
「夏未」
「!」
「また今度な」
自分と違って余裕綽々の鬼道に「なんて憎たらしいの…!」と呟いて、夏未は火照った頬を両手で覆うのだった…
寸止めいいっす…萌える