長文10題(A)

01/思えばその時だけだったのだ 俺の欲しい物が全て隣にあったのは

02/歌声だけが妙に幼く 彼の体躯とは不釣合いだと思った

03/膿んだままの傷口を晒し 顔を背ける善人の群れに唾を吐く

04/「あなたのため」という大義名分を得て 私は凶器を握った

05/無償の愛なんて そんな恐ろしいものあってたまるか

06/殻を突き破る痛みを知らないまま 大人にはなれない

07/あの時の私は 意味の無い愚かな感情に支配されていた

08/甘い錯覚に浸かって しょうもない夢を見よう

09/この浅ましさに吐き気がするけれど 人間なんて こんなもの

10/誰かと手を繋ぐなんて かなり久しぶりだ


≪解説≫
08/仕様もな・い
くだらない。ばかばかしい。「―・いこと」
◆多く「しょうもない」と発音される。