都々逸+10

梅もきらいよ桜もいやよ ももとももとの間が良い

いくら惚れても情死はいやよ 死ねば腰から下がない

岡惚れしたのは私が先よ 手出ししたのは主が先

愚痴もいうまい りん気もせまい 人の好く人持つ苦労

よその夢見る浮気な主に 貸してくやしい膝まくら

すねてかたよる布団のはずれ 惚れた方から機嫌とる

おまはんの 心ひとつでこの剃刀が 喉へ行くやら眉へやら

切れてくれなら切れてもやろう 逢わぬ昔にして返せ

ぬしと私は玉子の仲よ わたしゃ白身で きみを抱く

岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは 三分間