イギリス某所某日

しんしんと静かに降る雪の中を歩く女性が一人
寒さを感じていないのか着ているのは黒いパンツスーツのみで見ているこちらが寒くなるよう格好だがすれ違う人々はそんな彼女に気にも止めていないようだった

「サイサリス」

しばらくして歩いていた彼女を呼び止める青年の声がした

「…カルマ」

「どこかいくのか?」

「別にただ歩いていただけです」

と言う彼女の手をそっと握り、どこかに向って歩き出した青年

「どこに行くんですか?」

「俺の家」

彼女の問い掛けに短く答えながら、彼女を連れて雪の中をゆっくり歩いていく

「あ、そうだサイサリス」

ふと立ち止まり、黒スーツのみの彼女の首に青年が先ほどまで巻いていたマフラーが巻かれた

「…私は別に寒くはないのですが?」

「いや、俺がただそんな格好のサイサリスをそのままにしておけないだけだから」

と着ているコートも脱ぎ彼女にかけようとした

「コートまで脱いだらお前が風邪をひいてしまいます」

「うんでも俺よりもサイサリスが寒い思いをするほうが嫌なんだ」

「だから私は寒くないと言ってます」

コートとマフラーを返そうとする彼女に

「じゃあせめてマフラーだけでもしててくれ」

コートを彼女に貸す事をしぶしぶ諦めたがせめてマフラーだけはと彼女の首に巻いた

「…風邪をひいても知りませんよ」

「大丈夫だよ」

そうしてまた青年は彼女の手を握り、二人は雪の中をゆっくりと歩いていった

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鴇色かの様宅のカルマさんとサイサリスさんをお借りしまして、付き合ってそうで実は付き合っていないお二人の甘々ほのぼの構図が降ってきた結果の暴走でした。ごめんなさいでも後悔はしてませんよ!←