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2016 / 05 / 23 散らばった宇宙


広がって砕けて散って少し光って暗くなる。どこまで続くかわからない。だから光り続ける小さな欠片。僕は小さいけれど沢山光るから大きいよと笑って広がって別の光に捕まってわからなくなる。小さな粒の存在が大きな光に飲み込まれて無になる。在るはずなのに無になる。

「ねえ死ぬの」
「いや生きてるよ」
「だって、ないよ」
「隠れているの」
「出てきてよ」
「それはできない」
「どうして?それじゃあ、いないのと一緒」

言葉が散らばって光が広がって小さな欠片はいなくなった。
大きな光が歌いだして耳を澄ましたけれど小さな欠片の声は拾えない。居なくなってしまったじゃないかと私が嘆くと大きな光が小さな声で「しょうがないんだ。それだけしか彼は持っていなかったんだから」と言った。私は悲しくなった。大きな光はそんな私を見て「僕はいつか宇宙に食われて闇になる」と力なく言うとさっきより大きく光って私から離れていった。

広がる闇に大きな光は遠ざかり小さな光りになっていった。私から見たら小さな光りになっていった。宇宙はどこまでも広かった。





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