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2016 / 04 / 27 紙の切れ端の染めあと


雨の匂いが広がる。太陽が雨の邪魔をする日は嫌な空気なのに太陽をしっかりと雲が覆い光を淡くすると湿気を帯びた風も優しく冷たい、切なさと悲しさを飽和したような不思議な冷たさになる。だから私は雨が好きだ。土砂降りが好きだ。
忘れそうなことを振り返る。悲しい時によく聞いていた歌を聞き流す。胸の奥がきゅーっと苦しくなる。苦しいはずなのにそれがとても気持ちよくてクセになる。同じ曲を繰り返してもまるで中毒のように飽きない。何度も聞き流す。流れていく音を無意識に拾う耳が脳が喜んでる。それが苦しみや悲しみや過去の何かを引き出すものでも満たされている。
いやでも時は流れて私も老いていく。そうね、まだ私は若いから老いるなんて表現をすると合わない気がするけれど確実に年を重ねているんだなと胸が苦しくなるような日がある度に噛み締めている。生きていることを噛み締めている。当たり前のことなのにこんな風に自分の生を強く感じられるなんてとても幸せだと思う。苦しくなるけど今までで一番、毎日をしっかりと踏みしめている気がする。



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