ブログ | ナノ


2015 / 08 / 25 懐かしむ


夏が欠伸をし始めた。少し昼寝をするらしい。この頃、雨が多くて涼しい。私は秋の訪れを感じたくてしょうがなくなっていた。息が詰まるほどの暑さが蝉の合唱と共に外出を億劫にさせていた。麦わら帽子をスイカに乗せて幼い頃を思い出そうとした。いつでも時は世界を裏切り、新しいものを作り出すきっかけをもたらす。大きな波と小さな波が交互に刻むことで均等になる砂浜とそこにあしあとを作って遊ぶ子供達。繰り返し修正しながら世界は新しくなった。不便だけれど上手い具合に物事を繋いでいたいくつかの部品たちが廃棄され、記憶の隅に追いやられ展示品になっていく。昔重宝されていたものが今では博物館や教科書の中でだけのモノになる。古き良き時代という言葉がモノを救う。言葉が縛る。そして生かし活かされる。夏が秋にバトンを渡す頃、人は夏を思い出にし秋への思いにふける。



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -