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『なァ、ハイド』


日課である組み手を終え、冷たいアスファルトの上に大の字で寝転がりながら、観月はぽつりとアイアンハイドの名を呼んだ。

汗で顔にぺたりと張り付く黒髪を掻き上げ、酸欠でぼんやりとした瞳を向ける観月の顔を、アイアンハイドは跪くようにして覗き込む。

そして、珍しく息を荒げている観月を気遣いながら、アイアンハイドはゆっくりと口を開いた。

《…何だ?》

『"あの時"の痕、見せて』

《…は?》

あの時?と観月の言葉に頭に疑問符を飛ばすアイアンハイドに、観月はクスリと小さく笑みを溢す。

そしてゆっくりとした動きで立ち上がると、アイアンハイドの胸元――丁度スパークのある辺りに、するりとその指先を這わせた。


そんな観月の突然の行動に、アイアンハイドはビクリとその黒い巨体を震わせる。
次いで、キュルキュルと甲高い電子音をその体から発した。

アイアンハイドのその反応に観月はクスクスと愉しげに笑うと、アイアンハイドの鉄のボディーに残る弾痕に、ちゅ、と軽いリップ音を立てて口付ける。

そんな観月の胸元では、普段のドッグタグではなく、大きさの違う2つのシルバーリングが太陽の光を受けて輝いていた。











(貴方が)

(お前が)

((生きていてくれて良かった))






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『ロボと少女と、時々、戦闘』の桐生紫苑様に捧げます!!!
2万打おめでとうございます(o^∀^o)


↓はオマケ
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「レノックス大佐ーまたミツキとハイドがイチャついて――…」

「お姫様たちー!!!元気だったかー!!?」

「……エップスそ――…」

「チビどもー!!今から帰るからなー!!!」

「…………ミツル――…」

『おのれアイアンハイドェ…』

「…………」





「もうやだ、この軍」

「いっそNEST辞めてディセプティコン行こうぜ」

「さんせー」


\ワイワイ/

\ガヤガヤ/


《オォウ…》

《…愚か者どもめが》




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